オリックス、2年で観客動員30%増の秘密

「カープ女子」の次は「オリ姫」の時代だ

昨シーズンは1996年に迫る観客動員数だった ©ORIX Buffaloes

――地道な施策とは?

数年前、PLM(パシフィックリーグマネジメント=パ・リーグ6球団で設立したマーケティング会社)が実施した市場調査の結果、うちはコアなファンが少ないという結果が出ましてね。

来場頻度が最も高い人でも、1シーズン5回から10回程度しか球場に足を運んでくれていませんでした。そこで、どうしたらコアなファンを増やせるかと。ご存じのとおり、関西には阪神タイガースという超人気球団があります。すでにタイガースのコアなファンになっている人たち以外の人を取り込むにはどうしたらいいか、と。そこで出た結論が、京セラドームに1時間以内で行ける、大阪、京都、神戸の3府県に絞って新たなファン層を開拓する地域密着戦略でした。

2軍のゲームで、新たな「コア顧客層」を創造

――具体的には?

全方位でいろいろなことをやりました。中でも力を入れたのは2軍のゲームです。2011年までは2軍のゲームは基本的に神戸で開催していましたが、2012年からは高槻市と富田林市で、2013年からは東大阪市、豊中市でも開催を始め、2014年は京都と奈良でもやりました。

また、チケットについては、ネット販売はいっさいやらず、地元のスポーツ店だけで売ってもらい、自治体にもポスターの掲示や告知のほか、ゲームを開催するスタジアムの改装もしてもらうなど全面的な協力を得ています。場内アナウンスも、地元の女子大生に頼んだりもしています。

――2軍には調整のために来ている1軍の選手もいますし、将来スター選手になるかもしれない選手もいる。2軍時代から成長を見守ると、大成したときの愛着も違うでしょうね。近所のスポーツ店でチケットが買えて、近所の球場でゲームを見ることができたら、球場に行く習慣がない人を呼び込めそうですね。

開門時に選手がお客さんを出迎えてハイタッチをやったり、サインボールの投げ入れやヒーローインタビューもやっています。京セラドームは開催地周辺からちょっと電車に乗れば行けるところにあるので、次は1軍のゲームを見に行ってみようかと思ってもらえたら、という狙いです。

このほか、小学校を回って少年野球教室を開催したり、京セラドームを借りてもらってアマチュア野球大会を開催したり。堺市の帝塚山学院の大学生に独身寮で暮らす選手向けのメニューを考案してもらったりもしています。ゲーム後にグラウンドに入れる企画も、子供の日あり、サラリーマン男性の日あり、女性の日ありで、基本は全方位です。

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