カネよりも「カープ愛」、40歳黒田投手の男気 年俸21億円を蹴って、古巣広島に4億で復帰

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2007年にFAでメジャーに渡った黒田博樹投手が広島に復帰。「カープ愛」を誓った男が戻り、2015年の広島は24年ぶりの優勝も(写真:スポーツニッポン)

官公庁をはじめ多くの企業が年末年始の休暇に入った12月27日、プロ野球界にホットなニュースが飛び込んできた。広島が、ヤンキースからフリーエージェント(FA)となった黒田博樹投手の獲得を発表したのである。

5年連続「メジャー2ケタ」、従来と違う復帰パターン

メジャーで活躍した選手が日本球界に復帰すること自体は珍しくない。でも、でも、である。これまで復帰した選手はいずれも力及ばずだったり、故障したり、あるいは選手として峠を過ぎていてメジャーで契約が取れなくなって戻ってくるパターンだった。

投手でいえば、復帰前のメジャー最終年で一番勝ったのが吉井理人(2002年エクスポズ=現ソフトバンク投手コーチ)の4勝。伊良部秀輝(同年レンジャーズ)、石井一久(2005年メッツ)は3勝だった。

それに対して今季の黒田は11勝9敗。日本人メジャーリーガー初となる5年連続2ケタ勝利を挙げた。メジャー7年間の通算成績が79勝79敗、防御率3.45、2015年の2月に40歳を迎えるとはいえ、メジャーで激しい争奪戦が繰り広げられていた。

3年間在籍したヤンキースが再契約を強く望んだのをはじめ、2008年から4年間プレーしたドジャース、パドレスなどが獲得に乗り出していた。中でもパドレスは今季ヤンキースでの年俸1600万ドル(約19億2000万円)を上回る1800万ドル(約21億6000万円)を提示したと言われる。

次ページなぜ黒田はメジャーの5分の1の条件で広島に?
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