なぜDeNAの観客数は3年で42%伸びたのか 横浜DeNAベイスターズ・池田純社長に聞く
買収から3年で現場の意識改革に成功
――球団代表には志願して就任されたとか。
若干違いまして、買収当時私はDeNA本体のマーケティング担当の執行役員で、球団買収は本体のマーケティング戦略上、絶大な効果が見込めると考えていました。
e-コマースでのグッズ販売、ゲーム、それに電子書籍で選手をモデルにしたマンガの提供などなど、IT企業である弊社が持つノウハウを活かせる機会はかなりあると思いました。
そもそも当時のDeNAは認知度も低かったですから、社名の認知度や事業内容への理解度を上げるうえでも大いに期待できる。そこで、「球団を使ったマーケティングの全権限を下さい」と言ったんですよ。そうしたら、球団社長をやれという話になったんです。
――着任直後の第一印象は。
驚きました。事前に調べようとしてもとにかく情報がない。プロ野球のビジネスとはこういうもの、ということが書かれた書籍も少ないし、何がビジネスのカギなのかもわからない。
出ている数字も極端に限られている。そもそも実際にプロ野球ビジネスに携わっている人の数が極端に少ない。
その少ない人たちからも、実際にプロ野球ビジネスに携わっていない人からも、プロ野球球団を買うということは、赤字を許容しないとダメとか、黒字、黒字と言ってはいけないといったアドバイスを受けるわけですよ。
――着任後、最初に手がけたことは?
現場の意識改革です。とにかくまず組織と文化の改革がポイントだと思いました。健全な経営を目指すのだということ、そのためのKPI(重要業績評価指標)は何なのかということを社員全員が理解し、共有できる会社に、この3年間で生まれ変わったと思います。
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