なぜDeNAの観客数は3年で42%伸びたのか 横浜DeNAベイスターズ・池田純社長に聞く
――多くの球団が年間シートの転売を禁じているのに、チケットショップには当たり前のように売りに出ています。チケットショップに売られるくらいなら、球団で買い取ってコントロールしたほうがマシだと思うのですが、日本のプロ野球界は年間シートの再販をタブー視する傾向にありませんか。
年間シートがしっかり売れる球団はそれが安定収益になっているのでしょうが、当社は違います。年間シートの販売高は下降線の一途を辿っていたものが、この3年で多少回復はしてきてはいます。ただもうこれ以上大幅には増えることは難しいでしょう。
――再販を実施するとなると、課題は何でしょうか。
ルールをどうするかですね。いくらで引き取って、いくらで売るのか、とか。何よりもチケットシステムのユーザビリティを改善させることが絶対条件ですから、それができてからの話ですね。
ライト層狙い、グッズやウェア開発に注力
――グッズにもかなり力を入れていますね。
買収したばかりの頃は、コアなファン向けのグッズでも立ち後れていたので、まずはバリエーションを増やし、ショップを作ってキャッチアップしました。他球場に比べ、球場やその周辺でユニフォームを着ているファンが少ないという指摘も受け、ユニフォームを配ったり。そして、次のフェーズとして取り組んだのがライト層向けです。
――主に観客動員数増に貢献しているのがライト層だからですね。
そうです。この層の方たちはそもそもグッズをあまり買いません。コアなファンが着る、胸に大きくチーム名が入っているようなユニフォームも着ません。そこで、せっかく球場へ来たからちょっとお土産に買って帰ろうか、と思っていただけるような、普段使いが出来るおしゃれで小ロットのグッズやウェアを目指しました。
例えばサッカーのインテルのグッズやウェアはすごくかっこいいし、ヤンキースのキャップも普通に街中で被れるでしょう。目指すところはあのイメージですね。
――ポロシャツはおしゃれでしたね。三浦大輔選手や荒波翔選手などのバージョンがあるようですが、胸のところに付いているシルエットは、
ピッチングフォームだったりバッティングフォームだったりするんですね。あのポロシャツ、結構街中で着ている人を見かけましたが、球団名が入っていないので、一体何だろうと思っていました。
あのポロシャツは、最初グリエル選手で作って、あとから三浦、荒波バージョンを出したのですが、いずれもかなり好評でした。何だろう、と思っていただけるくらいがまさに狙いです。
ビームスとのコラボTシャツは、みなとみらいのビームスショップにも置いていただいています。コンセプトショップにも挑戦してみたいと思っています。
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