カネよりも「カープ愛」、40歳黒田投手の男気 年俸21億円を蹴って、古巣広島に4億で復帰
広島と合意したのは年俸4億円プラス出来高払いの1年契約。広島としては球団史上最高条件だが、パドレスの5分の1ほどの条件で8年ぶりに古巣へ復帰することになる。現在自宅のある米ロサンゼルスで自主トレを行っている黒田は広島の獲得発表から一夜明けた28日、マネージメント会社を通じて次のようなコメントを発表した。
2007年のメジャー移籍時に語った「カープ愛」を形に
「来季については、野球人として、たくさんの期間を熟考に費やしました。悩みぬいた末、野球人生の最後の決断として、プロ野球人生をスタートさせたカープで、もう一度プレーさせていただくことを決めました。今後も、また日々新たなチャレンジをしていきたいと思います」
控えめな言葉に律儀な人間性がのぞく。黒田は2007年オフにFA権を行使してドジャース入りを決めた際、広島への思いを聞かれ「感謝の気持ちでいっぱい。今僕がここにいられるのもカープのおかげ。ファンの方たちにも感謝しています」と涙ながらに答えた。移籍後には「いずれは帰り、恩返ししたい気持ちはある。日本に帰るならカープしかない」とも話していた。
1991年を最後にリーグ優勝から遠ざかっている広島。1993年にFA制度が導入されて以来、川口和久、江藤智、大竹寛が巨人、金本知憲と新井貴浩が阪神に移籍した。さらに黒田がドジャース、高橋建がブルージェイズへ。逆にFAで獲得した選手は1人もいない。こんなチームは12球団でカープだけだった。
主力選手の相次ぐ流失で戦力は低下。1998年から15年連続Bクラスに沈んだ。だが、地道なドラフト戦略が実を結んで投手では前田健太、大瀬良大地、野手では菊池涼介、丸佳浩らが成長。日本でプレーした経験のある駐米スカウト、エリック・シュールストロムの見立てによる外国人選手も「当たり」が続き、2013年から2年連続で3位に入った。
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