ふとんの西川、混沌の「睡眠市場」で勝ち残る算段 ただの寝具では競争できない市場変化に危機感

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西川が注力する高機能マットレス「エアー」シリーズ(写真:西川)

「睡眠時間や睡眠効率は問題なさそうですが、深い眠りが少なくなっているようです」、「なるべく日中は光を浴びてメリハリある生活を心がけ、軽い運動なども取り入れましょう」――。

これらはパナソニックが展開する「快眠環境サポートサービス」の一環として、スマートフォンの専用アプリからユーザーに提示されるアドバイスだ。

センサーが搭載されたマットレスとスマホを連携することで、呼吸の動きから、睡眠時間や睡眠状態などのデータを収集。それに基づいて、IoT(モノのインターネット)に対応するエアコン・照明器具を、睡眠に快適な温度や明るさに制御するというものだ。また利用者には、冒頭のような個々人に合わせたアドバイスもなされる。

室町創業の西川がスリープテックを強化

2020年春からパナソニックと組み、前出のサービスに対応したマットレスを展開しているのが、寝具メーカーの西川だ。西川の創業は、450年以上前の室町時代にさかのぼる。初代当主の西川仁右衛門が、近江の地(現在の滋賀県)に蚊帳・生活用品販売業を開業したのが始まりだ。昔ながらの羽毛布団が主力商品で、近年はやりの「スリープテック」とは縁遠く思える存在である。

イメージと一線を画す西川の取り組みは、ほかにもある。2021年9月から開始した寝具のサブスクリプション(定額課金)サービスだ。2~3年の最低契約期間で、マットレスや、羽毛掛け布団を借りることができる。例えば、高機能マットレスブランド「エアー」の標準モデル(4万4000円)の新品を、月額1650円からレンタル可能だ。

足元で新たな動きが加速しているのはなぜか。背景に透けるのが、「ただの寝具」では勝負できなくなりつつある、市場の変化に対する危機感だ。

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