「サッカー人気停滞」W杯出場でも楽観できぬ事情 協会収支逼迫、放映権、選手固定傾向などの懸念も

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「世界を見上げていたら、いつまで経っても追いつけないし、追い越せない。選手たちは同じ目線で世界の強豪を見ていますし、ここまでの成果と課題を整理して彼らを超え、ベスト8以上の成績を収めたい」と指揮官は改めて宣言した。

確かに南アでのパラグアイ戦のPK負け、ロシアでのベルギー戦逆転負けを踏まえると、日本はあと一歩で高い領域に届きそうにも思える。が、わずか先に届かないのがサッカーの難しさだ。

東京世代の攻撃陣が絶対的な戦力になり切れていない

最終予選を改めて振り返っても、日本の総得点は9戦終了時点で11と少ない。最多ゴールの4点を記録した伊東純也(ゲンク)への依存度が高く、森保体制発足当初から主軸だった大迫勇也(神戸)が2点、南野拓実(リバプール)が1点という結果は心もとない。

三笘がブレイクしたのは好材料と言えるが、東京五輪世代の上田綺世(鹿島)、前田大然(セルティック)が絶対的な戦力になり切れていないのも物足りない点だ。南アで当時24歳だった本田圭佑、23歳だった長友佑都(FC東京)らがブレイクしたのを考えれば、同じ年齢層の彼らには伸びしろがあると言えるが、まだまだ未知数の部分が多い。頭一つ抜け出すタレントの出現が8強入りのポイントの1つになりそうだ。

守備陣に関しても、35歳の長友、33歳の吉田と権田修一(清水)、31歳の酒井宏樹(浦和)ベテラン中心の構成が気になる。もともと森保監督は固定化されたメンバー起用が疑問視されており、彼ら以外の人材をどう戦力にしていくかが今後の大きなテーマだ。特にDF陣には冨安健洋(アーセナル)、板倉滉(シャルケ)、中山雄太(ズヴォレ)といった成長著しい人材がいるだけに、ベテランに頼らない戦い方を模索していくべきだ。

幅広い選手起用、戦い方を持たなければ、世界の強豪に太刀打ちできないのは、4年前の経験からもわかること。それは森保監督もよく理解しているだけに、ここからのマネージメント力が問われるところだ。

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