金メダルから21年「白馬ジャンプ台」厳しい現実

日の丸飛行隊の感動も、競技人口減で苦境

白馬のジャンプ台。正式名称は、右のラージヒルが長野県白馬ジャンプ競技場で左のノーマルヒルが白馬村ジャンプ競技場。ラージヒルは長野県が保有し、白馬村が指定管理者になっている。2019年4月上旬(筆者撮影)

1本目は4位に甘んじた日本。しかし2本目に入って岡部孝信、斉藤浩哉が飛び終わった時点でトップを奪回。原田雅彦が137mの大ジャンプを飛んで優勝に大きく近づいた。そして誰もが祈る思いで見つめた4番手・船木和喜も美しい飛型を描いて125mのジャンプを飛び、見事に着地した。これに感極まった原田らが船木の元に駆け寄り、号泣。白馬ジャンプ競技場の大観衆も激しく揺れる。

1998年2月17日、長野五輪スキージャンプ・ラージヒル(K点120m)団体で「日の丸飛行隊」が悲願の金メダルを獲得した瞬間だった……。

最近の平成の振り返り番組などで名場面を見た方も多いだろうが、あれから21年が経過した白馬村ジャンプ競技場(略称=ジャンプ台)は残念ながら閑散としている日が多い。

ジャンプ台のスタートハウスにリフトに乗って行くことができる(筆者撮影)

「ゴールデンウイークの来場者数も1日多くて1300人程度。長野五輪直後は1日5000人くらいの方が訪れていたので、減少傾向にあるのは確かです。

当時はリフト収入だけで年間運営費が出ていましたけど、今は長野県の指定管理料をいただかないと維持できない状況。来場者が増えて、リフト収入が上がればいいんですけどね」と白馬村教育委員会事務局生涯学習スポーツ課の関口久人課長も厳しい現状を説明する。

せっかくのレガシーも薄れてしまう

白馬には関西・九州方面からの修学旅行生が訪れるケースが多く、白馬村としても観光ルートにジャンプ台を組み込むように働きかけているという。ただ「ジャンプ台だけをじっくり見学したい」という要望は少ないようだ。同施設内部には「白馬オリンピックメモリアルギャラリー」があり、長野五輪・パラリンピックのメダルや資料が常設展示されている。

ギャラリーの内部(筆者撮影)

上記の団体金メダルの映像も流されていて、長野五輪の歴史を再認識するのに最高の場所。けれども、見る人が少なければ、せっかくのレガシーも薄れてしまう。

そういう意味でも、現状は「もったいない」という印象が強い。

「白馬ジャンプ台はノーマルヒル(K点90m)以外は長野県の施設。スタートタワーや聖火台、ギャラリーを観光客により見てもらえるようにしたり、エレベーターを改修するなど、考えられることはあるのですが、白馬村だけでやれることが少ない。難しいのは確かです」と関口課長も頭を悩ませている。

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