実母が根っからの詐欺師、どうすればいい? 親子であっても悪縁は切るべき

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 継母の危篤を知らされたときも、父が62歳で他界したときも私には何の感情も起こらず、会っていません。中卒で母子家庭での育児は経済的に苦しく、必死で働きました。友人には恵まれ、いろいろ助けられながらなんとか頑張っていた時、私は仕事中に腎臓結石で倒れました。
 そんなとき、実母が私を探して会いに来たのです。当時の私は疲れきっていて母の悪巧みに気づかず、退院後は母に娘を預け働きました。その時は知らなかったのですが、母はヤクザと再婚してスナックを経営していました。娘を引き取りに行ったとき、娘の面倒をみるのにかかったお金を払わないと娘を渡さないと言われ、自分の甘さを痛感しながら、50万円を払って引き取りました。
 その後私は実母とも絶交渉で生きたく、何度も逃げて引っ越しましたが、そのたびに母夫婦は2人して、金をせびりに来ました。私に結婚を申し込んでくれた彼まで探し出し、会いに行って借金を要求したのです。当然彼からは泣く泣く別れを告げられました。実母のおぞましさは、引っ越し先々につきまとい、再婚相手のヤクザの人が亡くなるまで続きました。
 現在私は59歳ですが、長女は小さい頃の祖母の記憶があるらしく、私に内緒で祖母の居所を探し、会いに行ったそうです。実母には恐怖心しかない私に娘は、「ママ、何故おばあちゃんと会わないの」となじります。長女は祖母の人間性を知らず、私のおぞましい生い立ちも知りません。実母を避けている私を冷たいとなじります。
 私が働いていたので家事一切を長女に任せ、経済的にも大変でしたので、遊び盛りの娘にとっては、私に不満も多かったと思います。そんな娘が祖母である実母を慕うのも、実母が自分に都合よく正当化し私を悪者にして、経営者でもある孫娘を手なづけているのも、私には不安のたねです。
 実母の底なしの悪知恵を知っているだけに、娘に何かあれば私が命をかけて守りますが、彼女は祖母に会うようになってから祖母に同情し、私と距離を取るようになってきました。私の実母が娘にどんな会い方やどんな話をしているのか判からないだけに、娘が私と距離をとり始めたことに不安が募る毎日です。いろいろ思い出され、長々と相談が取り留めなくなってしまい申し訳ありませんでした。
れいこ(仮名)

 

【パンプキンからのコメント】

年をとっても、根っからの詐欺師は成長しない

れいこ様、小説の主人公にも負けない過酷な貴女の波瀾万丈を私に語ってくださり、恐縮です。何度も驚きながら拝読させていただきました。

このところ当コラムでは、親子のもつれた関係についてのご質問が多く、時には私では役不足と感じつつも、なるべく逃げずに考えるようにしてきました。今回も、壮絶な人生を歩んでこられた貴女に、私などが助言できることがあるのか心配ですが、私は次のように考えます。

人はどんなに賢く生まれても人間関係では未熟なところから出発し、間違いや失敗は避けられません。問題は多くの人は学習能力があり、それらの失敗などを反省し、学びながら成長し、年を重ねます(なかなか直せない欠点もありますが)。

私が半世紀以上生きて驚いたことのひとつは、この種の反省や学びがないどころか、むしろ自分の過ちを正当化したりウソで塗り固めて周囲に吹聴し、堂々と年を食って生きる、恥知らずな人がいることです。貴女の実母も言葉巧みで、この範疇に入る人ではないでしょうか。

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