実母が根っからの詐欺師、どうすればいい? 親子であっても悪縁は切るべき

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この時、緋沙子さんがもうひとつ驚いたことがあります。彼女には早くに結婚して家を出ていた実姉がいるのですが、虐待については知っていても、陰湿で執拗な具体的な内容については、何ひとつ知らなかったのです。

虐待の内容のいくつかを実姉に語るととても驚かれ、緋沙子さんはそんなことが姉にさえ伝わっていなかったことに愕然としたそうです。緋沙子さんは、あの世の方が楽に思えたほどの結婚前までに受けた虐待を、姉にさえ告げる間もなく年を取ったのです。それは継母にとってはとても都合がよく、緋沙子さんの孝行は継母の反省と恥を知る機会を奪ったどころか、つけあがらせただけでした。

れいこ様、母娘といえど、言葉で伝えないと伝わらないことがあります。私なら娘2人を前に、小学校4年の事件を除いて、自分の人生を全部話します。甘言に乗ってひどい目に遭ったところに力をいれ、娘さんたちに注意を喚起します。ヤクザの連れ合いをなくした80過ぎの実母の性根は、少しはましになっているかもしれませんが、娘さんの言葉から想像する限り、彼女の性根は直っていません。

悪縁の人には、かかわらないのがいちばん

あの元奴隷主の顔を思い浮かべるだけで恐怖に陥り、実家に足が向かなくなった緋沙子さんですが、継母は少しは反省したでしょうか? それは緋沙子さんにはどうでもいいことです。目に見えない誠意や心に価値がなく、老いてもモノやカネや自分しか知らない人とは、どのようにかかわっても無駄だと緋沙子さんは学習し、金輪際かかわらないことに決めたからです。

れいこ様、私は貴女の実母に、緋沙子さんの継母が重なります。恥を知らない人にとっては利用できたり搾り取れる間はいい関係で、しかもそれがその人たちにとっては有り難いことではなくて、(立派な自分に対する)当然の権利なのです。さらに不幸なことには、従っている人がいる間はつけあがっていく人種です。

貴女の過去をしっかりと説明したあとでは、娘さんから問われない限り、実母に関しては貴女からは何も話さないようにしましょう。実母を思い出したり悔しがったりする時間だけでも貴女の負けです。これ以上振り回される値打ちのない人です。憎んだり復讐心で苦しむことから、ご自身を解放してあげなければなりません。実母のことが思い浮かんだら、すぐにほかのことを考える習慣を作りましょう。心の広い人や信仰を持っている人からは心が狭いと嗤われそうですが、何と言われようとこのような悪縁は絶つのがいちばんです。

娘さんが貴女を理解できる日は、必ず来ると信じます。実母と交流しているという理由で娘さんと駆け引きせず、昔の分も挽回するつもりで一途に見守ってあげてください。条件がつかない無償の愛こそが、親の愛の神髄ですから。

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ミセス・パンプキン 『最強の人生相談』『一流の育て方』著者

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立命館大学卒業。ビジネスパーソン向けの家庭問題・人間関係・人生相談の専門家として、東洋経済オンラインで2012年より執筆。最新刊は『最強の人生相談』(東洋経済新報社)。息子であり、『最強の働き方』(東洋経済新報社)の著者であるムーギー・キム氏との共著に、『一流の育て方 ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる』(ダイヤモンド社)がある。ミセス・パンプキンへの相談は、こちらのメール、あるいは相談受付サイトで受け付けています。なお相談件数多数につき、過去に類似する相談があった場合には取り扱いません。ぜひ、これまでの連載をご参照ください。男性からのご相談も歓迎しております!

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