日本人も、"コミュニケーション力"を磨こう

対話術は、グローバルリーダーの必須スキル

学費は1人年間約3万6500ドル~3万8000ドルと高いが、そのユニークなプログラムが評判を呼び、2009年の設立当初はたった26人だった生徒数も、わずか5年で250人まで増えた。

ほとんどの生徒がiPadかアップルのMacBookを貸与され、小学2年生からコンピュータプログラミングを学ぶ。7年生(中学1年)で、シェークスピアを読み解き、科学の授業では、「ドップラー効果や赤方偏移などの現象からなぜ、ビッグバンが起きたのかをストーリーとして説明せよ」といった課題が与えられる。

用意された「答え」を覚えることよりは、自分の力で考え、結論を導き出すことを重視する。「子供の脳は氷山のようなもの。我々は見えていない子供たちの潜在能力を発掘し、伸ばしていきたい」と、ミドルスクールのポール・ディアーズ校長は力を込める。

ディベートは埋もれた才能を花開かせる

ディベートもそうした埋もれた才能を花開かせる取り組みの一つだ。「数学や英語よりもディベートは重要だ」とディアーズ校長は断言する。「多くの知的作業は、将来、コンピュータやAI(人口知能)に取って代わられるが、ディベートによって培われるリサーチ力、分析力、コミュニケーション力はコンピュータで代用できるものではないから」だ。

ディベートは主に高校や大学で、サークル活動や放課後のクラブ活動として取り入れられているが、同スクールでは、ディベート専門の教師を採用し、全生徒が週1コマから2コマを必修科目として学んでいる。ディベートはある特定のテーマをめぐって、立場の異なる個人やグループが議論を戦わせるものだ。

「子供は誰もが少なくとも一つはスポーツをプレーするべきだと思いますか」。例えば、幼稚園のクラスではこんな問いが投げかけられる。「健康でいるためにはスポーツはした方がいいと思います」「ほかのことをする時間がなくなるので嫌です」など子供たちは思い思いに意見を述べる。まだ議論にもならないが、「小さいころから、人前で意見を述べることに慣れ、その恐怖心や抵抗を少しでも取り除ければいい」とディベート教師のラドリー・グラッセ―氏は説明する。

ある日の7年生のクラスのテーマは「デジタル写真の修整は許されるか」。「修正によって、極端にスタイルの良い女性ばかりを見せることで、『美しさ』を定型化し、『やせなくては』といった若者の強迫観念に結びつく」「あくまでも表現の自由の範疇だ」と白熱した議論が展開された。

ディベートには多くのやり方があるが、正式なディベートコンテストなどでは定型化されたルールにのっとって、競技として行う。3~4人で構成されるチームごとに、賛成派か反対派かに割り当てられ、個人的な信条と異なる主張だとしても、あくまでも与えられた立場の発言をしなければならない。

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