正月のいらぬ親子ゲンカをうまく避ける方法 怒鳴ってもなんの解決にもなりません

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その理由は、「身近なところにいる人は、コントロールしやすい」という思い込みがあるからなのです。人は、感情をより強く出すことで自分を表現しようとし、怒っていることが伝わらないと感じたら、余計に怒鳴ります。それは「怒ればなんとかなる」「怒鳴ったほうが相手に響く」と信じているからです。

 しかし、それは間違いです。自分の要望や理想が叶わないからといって、すぐさま子どもやパートナーに怒りをぶつけないことです。なぜなら、その怒りが自分のわがままや思い込みであることも少なくないからです。怒りの矛先の相手方が、わがままをぶつけられているだけと感じて、自らの行動を変えるでしょうか。罵り合いになったりして、より状況が悪くなることも多いでしょう。

私たちは、こうして、いとも単純に、本来は最も大切な人を傷つけてしまっているのです。では、そうならないための現実的・具体的解決策をアンガーマネジメントの技術論で考えていきます

「べき論」の擦り合わせをする「かちっとファイブ」とは

それぞれの「べき論」が、少なくとも本人にとってはすべて正解なのだから、「べき論」が違えば、歩み寄り、擦り合わせをするのが解決の早道です。前回は、クリスマスのカップルにおける「べき論」の違いを「カップルダイアローグ」で明らかにし、感情の溝を技術的に埋める方法を示しました。

まずは、自分が譲れそうな部分だけでも、相手に歩み寄ることで、大切な人間関係の崩壊を防ごうとするものです。「カップルダイアローグ」は、親子間でも使えるので、これを実践するもよしです。

それから、「べき論」の擦り合わせには、「かちっとファイブ」という方法もあります。この方法は、前述のNHKのテレビ番組『ゆうどき』でも、早稲田大学教育学部の本田恵子教授が紹介されていました。

私は本田先生と直接面識があるわけではないのですが、ソーシャルスキル教育のプログラムづくりや教材の考案、発掘、実践、法務省と協力して矯正教育のためのアンガーマネジメントプログラムづくりや実践、特別支援教育の普及のための巡回相談などに尽力されているカウンセリング心理学博士としてご高名なことを存じています。

さて、その「かちっとファイブ」とは。

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