NTT社長、「ドコモにいろいろ言いたくなる」 稼ぎ頭が変調、どうする巨人NTT(上)

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ドコモが取り組むコスト削減は「NTT東西のノウハウが役立つ」と話した

次のステップへのトライアル

――セット割引による減収もあり、短期での業績回復は厳しいのでは?どういったコスト削減を実行するのか。

そんなに厳しくはない。(固定通信と携帯電話の)セット割引で毎月1400円を割り引くKDDIとはまったく別の仕組みにする。マネジメントとしては値引き原資をしっかりひねり出さなければならない。設備コストを下げていくと同時に、営業コストも見直していく。市場の成長期と成熟期の営業方法は異なるはずだ。

グループは、NTT東西が固定において相当なコスト削減を進めてきた歴史がある。こうしたコスト削減ノウハウはドコモでも役立つ。歴史は繰り返すということだ。

以前、東西の音声収入が減少したのはユーザーが移動体に動いたからだった。今度は移動体の音声収入が減っている。R&D部門もサポートし、東西の取り組みをドコモに移植していく。技術革新の余地のある分野なので、ネットワークコストも下げられる。

――ドコモは通信分野以外の新領域を育成してきた。野菜宅配のらでぃっしゅぼーやなど、新領域の企業買収についてどう評価しているか?

 次のステップに進むためのいいトライアルになったと思う。つまり、ドコモが自らやるものと、パートナーをサポートして新しいモデルを展開する2つの方法がある。いくつかのジャンルを展開したことで、サポートに徹したほうがよいものもあることがわかってきたはずだ。

本質的に言えば、現在のサービス分野において、ドコモでしか使えないサービスというのはパートナーも喜ばしいとは思っていない。そうした場合、ドコモがサポートできるモデルにはどういうものがあるのか、そうした試みも始めている。

(撮影:今祥雄)

「週刊東洋経済」2014年12月13日号<8日発売>の「核心リポート02」に掲載したインタビューに加筆)

田邉 佳介 東洋経済 記者

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たなべ けいすけ / Keisuke Tanabe

2007年入社。流通業界や株式投資雑誌の編集部、モバイル、ネット、メディア、観光・ホテル、食品担当を経て、現在は物流や音楽業界を取材。

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