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大手電機を去ったエンジニアの現実 こんなはずじゃなかった

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大手電機メーカーの凋落はエンジニアの運命も大きく変えた。5人が語るそれぞれの人生とは。

「シャープが救済されていても辞めていました」

萩原達也さん(仮名、47)は、昨年9月末でシャープを辞めた。昨年7月に会社側が実施した希望退職募集に応じた3234人のうちの1人だった。再就職先は、自宅から車で30分ほど離れた町役場。1月からシステム担当として働いている。

24年間の会社員生活に終止符を打つことにためらいはなかった。数年前から社内の人員が減り、苦手意識のある業務に従事しながら責任は増すばかりだった。シャープ経営陣に対し思うことはないが、「仕事を教えてもらった人たちには申し訳ない。自分に余裕があるから、こんなことを言えるのかもしれない」と視線を落とした。

中学生の頃からパソコンに夢中となり、東京の私立大学工学部ではソフトウエアを専攻。卒業後にシャープへ就職すると天理事業所で12年間、ソフトウエア開発を担当してきた。当時はCADシステムの外販も行っており、最終製品を作り込む楽しさにやりがいを感じていた。その後は社内システムも担当し、技術を磨いていった。

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