自他共に「モノづくり大国」と認め、世界をリードする研究開発や製品を世に送り出してきた日本。そんな底力を生み出してきた源泉は、企業の努力に加え、それを可能としてきた高等教育、いわゆる大学の理系教育だった。だが、その源泉が枯渇しようとしているといっても過言ではない。
その現状の一端を示すのが、世界における日本の大学のランキングが下落傾向にあることだ。
英タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)が毎年発表する大学ランキングを見ると、最新の2015~16年で、上位100校のうち日本の大学は東京大学、京都大学の2校のみ。前回14~15年版ではそれぞれ23位、59位で、今回は大きく順位を落とした。
一方で、これまで日本の後塵を拝してきたアジアの大学のランキング動向が注目に値する。筆頭はシンガポールだ。シンガポール国立大学(NUS)が、前回よりランクを一つ落としたものの26位。55位には南洋理工大学がランクインしている。
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