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大企業のエンジニアが小学校レベルの簡単な計算問題も解けない──。技術大国ニッポンで、昨年、何ともお粗末な調査結果が発表され話題になった。神戸大学経済経営研究所の西村和雄特命教授らが行った調査のことだ。
西村氏を中心とする調査チームが2014年、日本の大企業9社(東証1部上場)から協力を得て、エンジニアなど理系社員向けの研修の一環として行った。下に示した【問題1〜3】は、調査で実際に出されたものとほぼ同じレベル。どれも数学や物理の基礎的な内容だ。
ところが【問題1】の類似問題の正答率は59.9%。【問題2】を含めた小学〜高校の基礎問題全5問の全問正答率は29.0%だった。また、基礎的な物理の問題である【問題3】の正答率は66.2%と、基礎的学力を持ちえない理系人材が4割弱はいることが判明してしまった。
ただ、西村氏はこの結果を「想定内」と打ち明ける。企業では「1980年代と比べるとレベルが低下している、という声が多かった」ためだ。西村氏によると、数学の社内教育を行う企業は多いという。
一方、少し古い調査だが、98〜99年に大学1年生を対象に数学力を調査した結果が右下の表だ。対象者は旧帝大クラスを中心にしたトップ校とそのすぐ下のレベルの大学生。正答率は6〜9割で、少なくない学生が間違えている。「調査前の70〜80年代の学生であればほぼ全問正解できる問題」(西村氏)。
文科省の入試改革が影響か
このような結果が生じる原因について西村氏は「文部科学省の入試改革の影響があるのでは」と話す。AO入試をはじめ、センター試験のような基礎的学力を見る試験を経ずに入学する学生が増えたためと見る。大学進学に「生徒の意欲や関心を反映させるべき」といううたい文句の下、導入された入試方法が広がり、十分な基礎学力のない学生が増えている可能性がある。
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