社長が語る、私の技術者時代。研究や開発の現場で苦労したからこそ現在の自分がある。理系仕事は面白い。
帝人 鈴木社長
抗体研究に没頭
子どもの頃から昆虫好き。理学部では動物、大学院ではミミズの研究をしていました。研究者になろうかとも思いましたが、バイオテクノロジーの可能性を感じたのと、人との出会いが広がることに魅力を感じ就職を選びました。帝人は先輩がいた縁です。
東京・日野市にある中央研究所の生物工学研究部に配属されました。ちょうど医薬部門を強化しつつあるときで、創薬の基礎研究部門です。抗体(特定の異物に存在する抗原に特異的に結合して、その異物を生体内から除去するタンパク質)の研究をしていました。
抗体研究ではけっこういいところまでいきました。ある抗体で、このままやれば治療薬を開発できるという確信を得た。ただしマウスの抗体をヒト型に変える技術を競合企業から導入しないといけない。ところが特許の問題をすぐにクリアできなかった。もう少し実験データを集めて判断しようとの声が社内から上がり、調整に時間がかかっている間に相手に先を越されてしまった。
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