有料会員限定

このままじゃ研究できない 交付金削減で国立大学がピンチ

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

有料会員限定記事の印刷ページの表示は、有料会員登録が必要です。

はこちら

はこちら

縮小

2004年の国立大学法人化以降、文部科学省が各校に配分してきた運営費交付金は減少傾向にある(下図)。16年度予算は横ばいだったが、それまでは前年度比1%減が続いてきた。大学において学生への教育費などは削減が難しく、教員の研究費に交付金減少のシワ寄せが来る。

特集「理系社員サバイバル白書」の他の記事を読む

運営費交付金削減の影響を研究する豊田長康・鈴鹿医療科学大学学長は「法人化によって国立大学は外部からの資金獲得を目指すようになり、一定の効果はあった。だが、そろそろ限界を迎えている。交付金削減がそのまま教育・研究機能や組織の縮小に反映されるフェーズに入った」と見る。

国からの交付金の削減がそのまま財政難に直結し、教員人事を凍結する国立大が出てきた。新潟大学が16年1月、退職や転出する教員の補充をおおむね2年間は原則的に控える方針としたのだ。

大学執行部の方針が伝えられると、教員たちに衝撃が走った。理学部で理論物理学を研究する奥西巧一准教授は、「教員の不補充は2年という期限付きだが、その間で解除というのは難しいのでは。財政難の解消は簡単ではない」と話す。

関連記事
トピックボードAD