ノジマ社長、「買収は全然悩まなかった」 携帯電話販売ITXの成長に絶対の自信
――なぜこのタイミングでITXの買収に踏み切ったのか。最大850億円を上限とする借入負担も大きい。
会社を強くし、発展させていく大きなチャンスだと思って買収をした。ITXがオリンパスの傘下にあった時から、当時の菊川剛社長とは話しをしていた。しかし、12年に売却される時はビッド(入札)で負けて、日本産業パートナーズの手に渡った。私の勉強不足だったなと思う。
その日本産業パートナーズやITXの荻原正也社長以下、従業員の方も努力して会社の価値を上げ、以前とは比較にならない利益水準になっている。買収の時期はたまたま今になっただけだ。こうした投資は10年前からずっと考えていた。私が尊敬するヨドバシカメラの藤沢昭和社長(79)が(出店用地として)大阪・梅田の土地を買ったとき、「野島くん、おまえも勝負できるようになれ」と言われた。
質がよければ量がついてくる
買収金額はほぼ借り入れなので、間違いなく財務は悪化する。自己資本比率は15~20%の間に落ちるだろう(14年9月時点で38.5%)。ただ、内部留保をしているので、配当額が下がることは絶対にない。20年間社長やってきた中でも配当を下げたことはない。10月に業績を上方修正した。これから先もまだできるよう努力していく。
ITXを成長させる自信があったので、買収は全然悩まなかった。自信がなければこんな投資はしない。
――具体的にITXをどう成長させるのか。
当社は、「売上高が3000億円以下の電気屋さんは残れない」と言われながら、成長し続けている。あくまでも(接客などの)質で勝負するという考え方で今まで伸びてきた。質が良ければお客さまに喜ばれて企業として強くなっていく。
ITXには当社の「質」を入れて成長させる。日本の家電メーカーも世界で強かった時は質で勝負していた。だが、質を追わずに量やシェアを追い続けて大変になった。質がよければ後で量がついてくる。
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