ノジマ社長、「買収は全然悩まなかった」 携帯電話販売ITXの成長に絶対の自信

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のじま・ひろし●1951年生まれ。73年中央大学卒業後、有限会社野島電気商会(現ノジマ)入社。78年取締役、専務を経て94年から現職。創業者の子息

また、ノジマの「人を大事にする」という環境をITXにも作れたら伸びていく。そうした芽は半年で出して、3年位の時間軸で実現したい。ITXには3000~4000名の従業員と約1300名の派遣がいる。いい人はさらに伸ばし、考え方が合わない人は変えていく。

今まで慕っていた環境が急激に変わるというのはかわいそうなことで、そうした人たちに変わるチャンスを与える。これでも3年は早い速度だと思っている。携帯販売でメーカーからの派遣を使わないという当社の方針はITXも同じだ。

――国内の携帯電話市場は普及率の高まり、成長産業とはいえない。また、auなどのキャリアは販売店を減らしていく方針だが。

 ITXの持つキャリアショップは日本中で多く使われている。どこのキャリアショップに行くかは口コミや評判で決まる。当社のポリシーはCS(顧客満足)などの質に重きを置いており、人材の育成やお店の改装にお金をかけている。各キャリアの手本となるショップになれるように努力したい。

「量販店」と呼ばれるのが嫌い

――家電量販店の「ノジマ」とITXとの連携をどう考えているのか。

 ノジマとITXは別個に成長させていくつもりだ。当社から経営陣をITXに送ることはいっさいない。ただ、向こうから要請があれば応える。まずは社長以下(の従業員)に、ノジマの考え方について共感していただく。

その後、従業員については人材交流をする。そうしないと収益も上がらないし、強くなっていかない。ノジマの出店や改装を止めることはない。これはノジマやITXが成長する分でまかなっていく。携帯電話の販売はノジマの店で売るよさもあるので、弱めることはない。

 私は「量販店」と呼ばれるのが嫌い。ノジマは量ではなく質を打っている会社で、1000の質問に答えられる専門店だ。これからお客さんが高齢になってきて、分からないことに答えてくれて値段が同じだったら当社が選ばれる。

今やっている事業は全部強くしていくつもりだ。ほかの事業に参入するかどうかは考えながら進めていく。他の家電量販店はリフォームを手掛けたり、薬を売ったりしているが、われわれはそれをやらずに成長してきた。薬などを扱ったら、専門店でなくなってしまう。量を追ったら、量販店になってしまう。奥深くに入り込むべきだ。

(撮影:梅谷秀司)

週刊東洋経済2014年12月6日号〈1日発売〉「この人に聞く」に加筆

富田 頌子 東洋経済 記者

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とみた しょうこ / Shoko Tomita

銀行を経て2014年東洋経済新報社入社。電機・家電量販店業界の担当記者や『週刊東洋経済』編集部を経験した後、「東洋経済オンライン」編集部へ。

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