「からあげ」をネットでプレゼントする時代に 3大シンクタンクが読む2015年の日本<第4回>

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実際、数年前から、ギフト商品を扱う小売り各社においても、「中元・歳暮」に代えて「夏ギフト・冬ギフト」という呼称を使うケースが多くなっています。

このようにカジュアルギフトが浸透・拡大する中で、ギフト市場に参入する企業も増え、「ソーシャルギフト」「体験型ギフト」「プチギフト」など、多種多様なギフトが生まれています。

ソーシャルギフトとは何か

カジュアルギフトの中でも、市場成長性やマーケティングでの活用の可能性という点で最も注目されているのが、ソーシャルギフトです。ソーシャルギフトとは、SNSを通じて相手に贈り物ができるサービスの総称です。仕組みを簡単に説明します。

①贈る側がソーシャルギフトのサイトやアプリ(ソーシャルギフトサービス提供者)でギフトを選び、決済する。
②SNSを通じてもらう側に通知される。
③もらう側がサイトやアプリで住所入力、バーコード取得などの受け取り準備をする。
④サイトやアプリが、もらう側のデータとギフトを実店舗で交換できるよう準備する。
⑤もらう側が実店舗でギフトを受け取る。

 

ソーシャルギフトは従来のギフトと比較して、次のような点が魅力と言えるでしょう。

①Facebook、LINEなどのSNSでつながっていれば、氏名、住所を知らなくてもギフトを贈ることが可能。
②店舗受け取りの場合、配送コストが抑制され、送料無料化が容易。
③デジタル情報が店舗に伝えられた後は、もらう側の都合のよいタイミング・場所で、現物と交換することが可能。
④贈る目的に応じて、幅広い価格帯からギフトの選択が可能。

 

FacebookなどのSNSを活用することで、相手の住所を知らなくても贈れる点は、「会って渡す」「住所を聞いて郵送する」ことしかできなかった従来のギフトに比べて大きな利点です。

また、店舗受け取りにおいては、配送費用が発生しないため、少額のギフトも手軽に贈ることができるようになっています。対象商品は、菓子・飲料などの少額商品から、カタログギフトなどの高額商品まで、シーンに応じて幅広くあります。

受け取り方法は、直接送付もありますが、店舗受け取りが中心となっています。店舗はコンビニや飲食チェーン店などのケースが多く、もらう側の都合のいいタイミング・場所で受け取ることが可能であり、そうした時間的な面での負担が小さいというメリットがあります。

ギフトを提供する企業側では、利用者が多いSNSを通じて店舗へ誘導することが可能となり、多くの企業の課題であるO2O(ONLINE TO OFFLINE)マーケティングの有効な打ち手ととらえることもできます。

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