出身大学によって企業での出世は左右されるのか。東洋経済オンラインはこれまで、有力企業に役員を多く輩出している大学として、「『慶応卒が出世している』200社」「たまたま?早稲田大学卒の役員が多い150社」「本流企業?東大・京大卒が出世する250社」「中央、明治など『MARCH卒』が出世する150社」「『関関同立』が出世する110社の“特徴”とは?」をお伝えしてきた。
さまざまな反響をいただいてきたこのシリーズも、いよいよクライマックス。最後は「一橋大や日大、旧帝大、地方大などの卒業生が出世している180社」をお届けしたい。
早慶、東大・京大といった超ブランド校や「MARCH」「関関同立」というようなくくりはされていないものの、一橋大や旧帝大をはじめとする国立上位校、その他の公立、私立大学などの出身者が、有力企業でどれだけ役員にまで出世しているのか、場合によって学閥をつくっているかの主な例を調べてみた。
日大は数のパワー、一橋は少数精鋭
調査対象の中から、各大学の出身者が2人以上で役員総数の25%以上、つまり4分の1以上を占めている企業で絞り込み、ランキングを作成した。学校数は大学が67校となんと高校が4校出てきた。もっとも企業数が多かったのが日本大学卒。日大は在籍学生数が7万人を超える日本最大のマンモス大学。卒業生の数が多いことがこうした結果につながっている。
対照的なのは次点につけた一橋大学。在籍学生数は6000人強。それでも有力企業で役員に出世していたり、産業界以外で活躍していたりする卒業生は多い。少数精鋭を絵に描いたような大学といえる。
特定の大学出身者が役員の半数を占めている会社は7社もあった。それぞれ局所的な学閥をつくっているケースがあるが、これは特に地方企業にその傾向が強い。要は地元の有力大学出身者が地元の有力企業に入って出世しているのだ。
たとえば東証2部で産業機械や機器のメーカー商社であるリックス。九州大学出身の役員が5人と全体の5割に上る。本社は九州地方で最大都市の福岡市博多区だ。愛媛銀行は21人の役員のうち10人(47.6%)とほぼ半数が松山商科大学卒。地元といかに密着なのかがわかる。
これは至極当然のことなのだろうが、地方大学出身者がいわゆる上京によって、首都圏に本社を置くような大企業で働くよりも出世しやすいという事実が明らかに存在することが、ランキングで可視化されたといえるだろう。
なお当データは、小社刊『役員四季報2015年版』を基に集計している。役員四季報では東証1部などに株式を公開する約3600社へのアンケートを実施しているが、そのうち、在籍役員の最終学歴をすべて回答したのが1510社(原則7月時点)を対象とした。
※4ページ目「武蔵工業大学」は旧名称で現在は「東京都市大学」に名称変更しています