塩野:タツノコプロの『タイムボカンシリーズ ヤッターマン』や『ハクション大魔王』を刷り込まれて育った人が、今の中年になっている。
桑原:タツノコキャラクターとリアルに触れあっているというのは、上が55~56歳、下が38歳ぐらいです。僕は48歳で、そのちょうど真ん中の世代なので、タツノコのキャラクターの魅力というのはすごく肌で感じてきているんです。
塩野:当時は今のようにアニメやキャラクターもたくさんなかったので、本当にタツノコが時代を切り開いて、キャラクターというものを作っていったのかなと思います。
日本のアニメ界に残した功績
桑原:日本のアニメ界に残した影響ってすごく大きいですよね。『マッハGoGoGo』とか『科学忍者隊 ガッチャマン』みたいなシリアスな路線だったり、『ハクション大魔王』みたいな逆路線だったり。『昆虫物語 みなしごハッチ』のようなものであったり、『タイムボカンシリーズ』だったりっていうことで、常に新しいものを切り開いてきた。
もっと細かく言うと、そもそもアニメって基本的にデフォルメされた単純な絵を動かすものだったんですね。。でも当時のタツノコのアニメというのは劇画的というか、細かい画を動かすという、当時としてはちょっとあり得ないことにチャレンジしているんです。『科学忍者隊 ガッチャマン』のあの時代に、シールドをアニメの中で再現するって、すごい技術だったと思いますよ。
いまも顧問としてタツノコに残っていただいている笹川ひろし監督に伺うと当時のアニメーターの方々は「タツノコのアニメはただ見ている方がいい。参加したらひどい目にあうぞ。タツノコプロには近寄らない方が良いぞ」と言っていたそうです。
塩野:絵作りも、実写的というか、面白いカメラワークを使うというイメージがあります。『マッハGoGoGo』のオープニングとかやばいです。
桑原:やっぱり日本の今のアニメに繁がっていくアニメの原点というのは、タツノコプロにあるなあというふうに思ってます。もちろん、ガンダムの大河原さんみたいに、タツノコのOBがいろんな形で、いろんなその後の作品に関わられているということもある。
塩野:大河原さんはガンダムのメカデザイナーですし、ファイナルファンタジーの天野喜孝さんなど有名人がたくさんいます。天野さんは15歳での伝説の入社ですよね。そうした人をたくさん輩出して、日本のアニメ界を創っていった。
桑原::もともと吉田龍夫さんは漫画家でいらっしゃったんですけど、細かい画を動かすということにチャレンジされたと同時に、オリジナル作品にもこだわっていらしゃった。
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