桑原:で、色々なプランを考えたんですが、最終的にはタカラトミーさんと一緒にキャラクタービジネスが出来ないか?という提案をすることになりました。新しいキャラクターを育てるなり、既存のキャラクターを使うなりという形で。その中で、タカラトミーさんの子会社であったタツノコプロのコンテンツもリメイクしていければいいなと。その時はちょうど、『劇場版 科学忍者隊ガッチャマン」の公開を控えて、日本テレビとしても「ガッチャマンブランド」のリメイクに取り組んでいる時だったので。
塩野:研修なのに結構リアルな提案ですね。
桑原:そうなんですよ。そして、せっかく考えたというのもあるし、研修とはいえ、これは実現性あるなってことで、タカラトミーやタツノコプロのことをよく知ってる方にちょっと相談したところ、「面白いですね。僕が繋ぎますよ」と言ってくださって、タカラトミーさんとの交渉がスタートした。そこで塩野さんともお会いしたわけです。
日本のアニメは海外で大きな武器
塩野:今回、M&Aのファイナンシャルアドバイザーをやらせていただきました。もともと日本テレビグループの中期経営計画で、海外ビジネス拡大も謳っていますね。海外ビジネスでもIPを重視しますか?
桑原:そこがやっぱり一番大きいです。日本テレビでは海外ビジネス推進室というの部署を2年前に新設したのですが、やっぱり日本のアニメは海外で大きな武器ですし、特にタツノコプロのコンテンツやキャラクターは知名度が高い上に、原作者がいないので、すべての権利をタツノコプロが保有している。リメイクだろうが商品化だろうが、自分たちの判断だけで行なえるというのがやっぱり大きなポイントだなあと思いました。
塩野:私もコンテンツビジネスに対するコンサルティングを行っていますが、コンテンツの権利が分散していないケースって珍しいですよね。
桑原:創業者の吉田龍夫さんから始まって、オリジナルにこだわってきているんです。『いなかっぺ大将』とか『てんとう虫の歌』は川崎のぼるさんの原作なので、一部そういう作品もあるんですけど、『ハクション大魔王』『科学忍者隊 ガッチャマン』など、ほとんどの作品は原作者がタツノコプロ。ビジネスの上では非常に大きいですね。
何より、改めて見てみると、タツノコのコンテンツやキャラクターはどれも魅力的で、今の時代でも絶対に愛される。そう確信したことが、今回のM&Aの最大の原動力ですね。
塩野:タツノコプロと言いますと、本当に70年代、老舗中の老舗っていうイメージですね。
桑原:そうですね。もう一昨年に50周年を迎えました。
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