塩野:おもちゃの商品化など相当な広がりがありますね。
桑原:あと、アニメを支えているコアなファンというのが、多分数万人います。その人たちがビジネスの核となっていますが、そのコアがどんどんどんどんマスに広がっていきつつあるというのが今の状況ですね。
『魔法少女まどか☆マギカ』というアニメがありますけど、あれなんかは「ザ・コアアニメ」ですよね。でも劇場で数十億のヒットになって、興収の1位になったというのは、支えているコアがマスに広がっている可能性があって、そうなると勝ちコンテンツになる。『エヴァ』なんてまさにそうですよね。ビジネスとしてはコアで成立しつつ、それがマスになった時に大きく爆発するというのが、今のアニメ界かなと思っています。
塩野:日本のマーケットですと、それこそ本当にコア層がちゃんといて、それからキャラクターのマーチャンダイズにお金を払う子供たち、親御さんがいると思うんですけども、タツノコプロもコア層を狙っていくんでしょうか?
桑原:んー、難しいところですが、タツノコプロとしては、今の流れとは一線を画したい気持ちがあります。タツノコプロの創業の精神を思い返しても、家族で見れるアニメ、みんなで見れるアニメってところにこだわっていきたいんですね。あまりに単純な数字で恥ずかしいのですが、興業で15億、『金曜ロードSHOW!』で放送した時に15%って数字を意識したいし、深夜枠であってもそんな精神で作品を作りたいと思ってます。
北米を意識した展開をしていきたい
塩野:今後の海外展開についてはいかがですか?
桑原:いうまでもなく、日本のアニメは海外で評価されています。支えてくれているのはそれこそ海外のコアなアニメファンの人たちです。そこから更に、海外でおいてもメジャーなコンテンツを目指そうと思えば、キャラクターやストーリーを海外的に、わかりやすくって意味かもしれませんが、リメイクする必要がある。
タツノコプロは非常に早い段階で海外にもフィルムを出していたということもあって、北米においてはやっぱり『マッハGoGoGo = Speed Racer』の知名度が非常にあります。2008年にワーナーが実写化したということもある。加えて『ガッチャマン=Battl of the Planets』も知名度がある。ですから、タツノコプロの海外戦略としては北米をきちんと意識したい。それだけの知名度をもっているコンテンツを保有しているわけですから、それはしっかりビジネスに結び付ける責任というか、やらなければいけないと思ってます。今後、北米を本格的に狙いたいということで、そこのスタッフを強化しているところです。
塩野:北米はマーベルの『アベンジャーズ』のような、ああいうヒーローもののキャラの土壌がしっかりしていますので、タツノコプロのヒーローものはフィットがいい感じはします。
桑原:そうですね。で、今それこそ僕ぐらいの歳の人たちが、やっぱり『Battle of the Planets(ガッチャマン)』や『Speed Racer(マッハGoGoGo)』に馴染んでいるので、うまくそこから若い層にシフトしていくようにまた新作を作っていくということですよね。
(撮影:今井康一)
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