まゆこは、私のところでは2年婚活をしていたのだが、その前に別の相談所でも2年婚活をしていたので、計4年間活動していたことになる。
“自分の理想にかなう相手と出会うきっかけを相談所で作れればよい“と気軽に考えていたし、“婚活すれば結婚できる“と簡単に思っていた。女子大卒のまゆこは、OGやその親戚の娘や息子が登録している大学系列の相談所に最初、登録をした。そこを一旦退会して、私のところに面談に来たときに、こんなことを言っていた。
母親の勧めで入会した男性がほとんど
「前の相談所は登録人数が圧倒的に少なかった。それに、男性のほとんどが母親の勧めで入会しているので、身元はしっかりしているものの、どこか頼りない。やる気も感じられない。お会いしてもピンとくる人がいなかったんですよね」
そうして、37歳から私のところで婚活を始めた。積極的にお見合いをしていったが、どうも結婚まで進める相手には出会えずにいた。
そんなときに、やっと真剣交際に入れそうな男性、とおる(42歳、仮名)が現れた。しかし、ほどなくして日本中がコロナに脅かされるようになった。とおるはコロナに異常に敏感で外出をしたがらなくなり、それまで週1回会っていたデートができなくなった。
「LINEのやり取りはしているんですけど、もう会えなくなって、1カ月が経ちました」
まゆこからその連絡が来たとき、この交際はうまくはいかないと仲人の経験則から感じた。
生活圏内での自然な出会いと、婚活での出会いは性質が違う。生活圏内の出会いは、気持ちができてから恋人同士になり、そこから結婚となる。1カ月会わなくても、連絡を取り合っていれば気持ちが下がることはない。
ところが婚活での出会いは、プロフィールでお互いの情報を知り、お見合いをし、交際に入る。そこから手探りで関係を築いていくのだが、相手を知っていく初期段階が重要なのだ。そのときにどちらかの歩みが止まってしまうと、進もうとしているほうは肩透かしを食らう。そして、テンションが下がってしまう。
人間関係が十分にできていないうちにテンションが下がると、それはもう二度と上がらない。
会えなくなって2カ月が経った頃、まゆこから連絡が来た。
「とおるさんとの交際は、終了しようと思います。最近はLINEのやり取りも滞りがちです。会っていないから話す話題もないというか。コロナは終息しそうにないし、このままLINEだけ続けていても、結婚はないと思います」
こうして交際終了を出し、そこからまたお見合いを始めるようになった。
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