39歳女性が「結婚はゴールじゃない」と悟った瞬間 条件のいい男性と相談所を介して成婚したが

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コロナの蔓延で、明暗を分けたカップルは多い。ウイルスに敏感な人は、感染者数が増えたり変異株が出てきたりすると、活動を止めてしまう。感染に気を遣いながらも活動を続けている人は、相手が動かなくなれば交際を終了するしかない。コロナによって交際終了になっているカップルは、ことのほか多い。

とおるとの交際を終了して、新たなお見合いを始めたまゆこだったが、なかなか本命が現れず、1年が過ぎた。そんなときにお見合いをしたのが、同い歳のたくみだった。都内のメーカーに勤めていて、年収は700万円。

会社は上場企業、年収も高いから…

「最近はもう年の離れた人からしか、申し込みが来なくなった気がします。私も40歳が見えてきているけれど、できることなら最後のチャンスに子どもを授かりたい。そう考えたら、10歳も15歳も離れている人との結婚は考えられない。たくみさんは同い年だし、会社は上場企業だし、年収もいい。ここで決めてしまいたいです」

まゆこは、たくみと交際に入ったときにそんなことを言っていた。そして、2カ月後には真剣交際に入り、そこから1カ月経って成婚退会をしていった。

しかし、結婚してからというものの、気持ちも性格も少しずつすれ違っていったという。

結婚後の新居は、たくみが3年前に購入した3LDKの分譲マンションだった。ただ、はじめてそこを訪れたときにあまりにも物があふれていたので、驚いてしまったという。

「2人で暮らせるよう、まゆちゃんが引っ越してくるまでには、部屋もある程度片付けておくよ」

たくみはそう言っていたのだが、片づけられていたのは、共有スペースになるリビングと寝室だけ。残り2部屋には、足の踏み場がないくらい物がぎっしり詰まっていた。リビングと寝室にあった荷物を、その2部屋に運び入れたようだった。

「私、片付けは得意だし、時間を見つけて2人で部屋を片付けていこうね」

ある週末を部屋の片付けにあてることにした。片付けを始めてみると、たくみは物が捨てられない体質だとわかった。

黄ばんだ漫画の単行本や小説が本棚にぎっしりと詰められていたので、「これ、古本を扱っているお店に持っていきましょうよ」と言うと、「大事なコレクションなんだ。絶版になっているものもあるし、そんなことできるわけないだろう」と声を荒らげた。

ほかにも、クローゼットには首元が黄ばんでいたり、袖口や裾が擦り切れている服やスボンもぎっしりと入っていたが、それらも「取っておく」と言い張り、捨てることを許さなかった。

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