「ちゃんとダラダラ休む」が人間に必要な納得理由 メンタル不調から回復までにたどる4つの段階

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メンタル不調から回復するのに必要なこととは(写真:Ushico/PIXTA)
「最近何だか元気が出ない」「気持ちが沈んで、何にも興味が持てない」など、春は気温や生活の変化でメンタルの不調が起きやすい時期です。『元サラリーマンの精神科医が教える 働く人のためのメンタルヘルス術』より、メンタル不調を抱えた人が回復していくまでの4段階を紹介します。
前回記事:「何となく不調な人」が見過ごすと危ない4サイン

ちゃんとダラダラ休むのが大事

メンタル不調には、うつ、抑うつ状態などいろいろな呼び方があります。
精神的・肉体的ストレスにより脳がうまく働かなくなっている状態が「うつ」といわれるもので、セロトニンなど神経伝達物質の枯渇によって、「心の水位」が下がってしまっているということです。あせらず、きちんと治療に向き合えば、状態は以前よりもっとよくなります。

■第1段階・ちゃんとダラダラ休む

第1段階で、とにかくちゃんと休むことが必要ですが、これがなかなか難しいのです。クリニックにいらっしゃる患者さんも、どう休んだらいいのかわからないとおっしゃいますので、ともかく初めの1か月間は、特に集中的に休んでくださいということから説明しています。

心の水位が下がる状態になる原因は、仕事の量が多すぎることや、人間関係などで、大きなストレスを抱えたことです。それによって、脳疲労を起こしているのです。脳科学的には、神経伝達物質であるセロトニンやノルアドレナリン、ドーパミンなどの不足・枯渇が原因だろうと言われています。まずは、「ちゃんとダラダラ」休みましょう。

■第2段階・休むことに飽きてくる

第1段階でしっかり休み切ると、変な言い方ですが、休むことに飽きてくるものなのです。それと同時に、少し気持ちの活動度が上がってきます。そうしたら次のステップですね。

第2段階では、「なにかしようかな」という気持ちになってきますので、ウォーミングアップとして、ご自身の趣味とか、好きなことに時間を使い始めてもらいます。漫画でも、動画の流し見でも結構、ストーリーが頭に入ってこなくても結構、ただ眺めるだけでもOK。

初めのうちは、そんな刺激の少ない活動であっても、30分もすると疲れて嫌になってしまうものです。人によっては、「先生、今日はテレビを47分観られました」とか「今日は漫画を80ページまで読めました」という場合がありますが、そういうときは、「ちょっと頑張りすぎたんじゃないですか? まだ頑張りすぎちゃ駄目ですよ」とお話ししています。

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