「ちゃんとダラダラ休む」が人間に必要な納得理由 メンタル不調から回復までにたどる4つの段階
第3段階で、以前の自分の生活リズムに近い過ごし方を疑似体験できたら、復職が目の前にやってきます。主治医が、そろそろ休職から復職に向かっていくというゴーサインを出すことになります。
企業によって、復職の基準はさまざまです。通勤訓練から始めることを認めている企業から、週5のフルタイムで働けないと復職を認めないという企業まであるわけです。そこで主治医は、その患者さんの勤務先が定めた基準をしっかりと踏まえて、復職の診断書を出さないといけません。
まず週に3日、会社に行って帰ってくるだけ
「だいぶ良くなってきたから、復職ですね」といった感じで軽い気持ちで診断書を出したことが、再発の大きな原因になることがあるのです。なんとなくいい軌道に乗ってきたという段階の方に、急に週5のフルタイムで仕事を再開することを課したら、相当のダメージを受けてしまいます。初めは、会社に行くというだけで大変です。まず週に3日、月水金に会社に行って帰ってくるだけといったことから始めます。
最初の月曜日に会社の前まで行って帰ってきたら、疲れて真夜中まで泥のように寝てしまったというのはよくある話です。自分がいた職場に近づくというだけでドキドキするものなのです。そういう準備段階を踏まずに、いきなり週5フルタイムなど、絶対無理ということですね。
復職の前に、通勤訓練、模擬ワーク体験、会社の方とのやりとりなどを始めておかないといけない。まずは、話しやすい人から部署の近況を聞くといったところから始めておく必要があります。
休職期間は何カ月であると決まっていても、制度を柔軟に運用してくれさえすれば、転職する人はかなり少なくなると思います。主治医は、その患者さんが属している会社の休職期間が、何カ月と定められているのか、初めの段階で聞いておくべきでしょう。
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