「ちゃんとダラダラ休む」が人間に必要な納得理由 メンタル不調から回復までにたどる4つの段階

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第2段階の初めのうちは、頑張らないことを徹底していただきます。
そうして何かをやり始めていると、徐々に持続力や集中力が戻ってきます。テレビドラマや映画を観ても、ストーリーが頭に入ってこなくて、共感したりできなかったのが、徐々にできるようになってきます。このときも、仕事のメール、チャット、電話などからは、まだ離れていてもらいます。

人によって変わっていくプロセスや期間は、まちまちになりますが、だいたいで言うと、第2段階は、1カ月~3カ月ぐらいでしょうか。第2段階の後半には、集中力・感受性なども高まり、充実してきます。自分の好きなこと、興味関心のあることがだいぶできるようになってきて、自炊を始めたりもします。睡眠も、前には日中12時間ぐらい寝ていたとか、1日合計15時間寝ていたのが、「最近、朝は7時ぐらいに起きています」というように、生活リズムが整い始めてくるものです。

働く意欲が出てきているか確認

■第3段階・意欲が出てくる

第3段階への移行の目安は、意欲が出てきているかです。働く意欲、生活する意欲が出てきているかどうかを確認しましょう。そしてこの段階で、リワーク的なものを始めることになります。リワークとは、休職した場合のリハビリのことを言います。定義は広いのですが、まずは、日中ちゃんと起きているとか、ある程度の作業負荷に耐えられるようにしていくということです。

たとえば、朝起きてから、食事などを終えたら、とりあえず机に向かう。
ネットで興味のあることを検索するだけでもいいのです。作業をしているような姿勢と状況を作って、準備していくことです。

医療機関や就労移行支援・就労継続支援事業所などで、復職に至るまでの橋渡し的なシステムを用意しているところもあります。ストレスの対処法や対人コミュニケーションを学ぶようなプログラムなど、その方の状態に合わせて選ぶことができます。そうした施設を利用したほうがいいかどうかは、回復の上昇曲線によります。

特に後期になってくると、人によって回復の仕方はさまざまです。一定のレベルに達してリワークを始められるようになってから、ある程度ゆっくり回復していく方は、こうした施設を利用してじっくり復職に向かっていったほうがいいでしょう。逆に、後期にぐっと回復していくような方は、こうした施設を利用する必要はないかもしれません。

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