「ちゃんとダラダラ休む」が人間に必要な納得理由 メンタル不調から回復までにたどる4つの段階
例えば1年半と聞いて、「あなたは治るのに1年半かからないし十二分な期間だと思います。だからじっくりちゃんとやりましょう」と自信を持って言える場合もあります。
場合によっては、「2カ月しかないんですか。では、僕もしっかり産業医の先生や会社の担当者の方とも話しましょう。それは、ルールがきついです。ともかくちゃんと必要な人に相談しましょう」ということになります。
不安を乗り越え、前よりもいい状態に
休職期間が終わって職場に戻ったとしても、そこから何もないわけではありません。初めは、どんな方でも、やっぱりおそるおそるです。久しぶりの社会復帰、同僚や上司との再会、緊張もするしうまくいくかもわからない。また会社に戻っていくということは、不安で、エネルギーも使うものです。
そういう中で、「いや、もう治ったはずだから、同じことは起こらないはず」と頑張りそうになったら、それ自体がまだ回復していない発想だった、と思い出してみてください。また頑張ってしまったら、その結果、後戻りしてしまうかもしれないわけです。
ひと言で言うと、正しく恐れるということが必要だと思います。詭弁のように聞こえるかもしれませんが、正しく恐れるということをちゃんとやっていると、そんなに恐ろしいことにはならないのではないでしょうか。
いつまた何が起こるかわからないから、ともかく無理するのはやめようというふうに考えるのが、正しく恐れるということですね。僕は患者さんに、リミッターをかけるとか、アクセルとブレーキのバランスという言い方をします。
第4段階に至るまで自分のことをしっかりと見つめ直し、自分のことを理解し、自分のことをいとおしく思う、そういう体験をしてきたわけですから。ここまででお伝えしてきたように、意味ある回復のプロセスをじっくり経ることができたのであれば、そんなに簡単に、また弱ってしまったりはしません。
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