「不妊に悩む人多い」日本社会が見過ごす根本原因 知っているようで知らない「妊娠適齢期」の真実

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知っておくべき「妊娠適齢期」の知識について解説します(写真:polkadot/PIXTA)
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4月から保険適用になる不妊治療だが、梅ヶ丘産婦人科ARTセンター長の齊藤英和医師は「妊娠に関して不妊治療の方法を用いることは後手の方策」と話す。
4日連続特集「不妊治療は“ひとごと”ですか?」4日目第2回は、知っているようで知らない「妊娠適齢期」の知識について、齊藤医師が解説する。
【4日目のそのほかの記事】(1~3日目の記事はこちらからご覧ください)。
第1回:激震!イモトのWiFi運営企業「不妊治療」参入の勝算
第3回:「生理痛が重い」を放置する女子に潜む不妊リスク

結婚年齢が高齢化すると生涯不妊率は上昇

4月からは不妊治療に保険が適用されるように決まりました。このことにより、不妊治療を受けやすくなったと感じておられる人も多いでしょう。ただ、妊娠に関して、不妊治療の方法を用いることは専門医の私から見ても、後手の方策と言わざるをえません。

では、先手の方策とは何か。やはり妊娠しやすい年齢のうちに妊娠を考えることです。ただ、若いうちはキャリアを積もうと考える人も少なくないため、高齢になってから妊娠を考えることが多く、不妊症になる人が増えているのが現実です。

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今回は人の「妊娠適齢期」、すなわち妊娠しやすく妊娠中や分娩時もより安全に過ごすことができる、妊娠に適した年齢について考えていこうと思います。

まず年齢に伴う妊孕力(にんようりょく、妊娠する力)の低下について、医学雑誌に報告された論文によると、20~24歳で結婚すると生涯不妊率は約5%となります。この数値は結婚年齢が高齢化するとともに高くなり、20代後半では約9%、30代前半で約15%、30代後半で約30%、40代前半で64%と、結婚年齢が高齢化するにつれて生涯不妊率は上昇します。

逆に考えると40歳前半で結婚した場合も36%の人は子どもを持っていることになりますが、自分がどちらになるかを前もって確信する方法は皆無といえます。

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