次のグラフは、年齢別に排卵期周辺に性交渉したときにどの程度妊娠したかを確率で示したものです。
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19~26歳の女性がいちばんよいタイミングに性交渉をすると、最高で約5割の人が妊娠します。27~34歳の女性では約4割、35~39歳の女性では約3割となっており、20代後半から妊孕性が落ち始めることがわかります。
また、赤の実線は女性と男性が同年齢であるグループの確率を示し、黒の破線は男性が女性よりも5歳以上年上のグループを示しています。35~39歳では破線と実線が大きく乖離しています。男性も40歳を超えると、5歳若いグループ(実線)と比較して妊孕力が低下することがわかります。
年齢を重ねると卵子の数も減っていきます。卵子の数は胎児のときにいちばん多く700万個ぐらいありますが、出生時には、200万個、月経が開始するころには20~30万個と、排卵しないのに減少しています。さらに月経開始後も年齢とともにどんどん消失し、1排卵周期に約1000個の卵子が減っているといわれています。
ただし、卵子の数は個人差が大きいという点に注意が必要です。若くても卵子の数がとても少なくて40歳後半の人と同じぐらいの人がいます。このような人だと、早めに月経が乱れるようになったり、卵子がさらに少なくなって、月経も来なくなったりする可能性があります。
20歳を超えたら早めの時期に1度はAMH(抗ミュラー管ホルモン、卵巣内の卵子数を反映)を測定して、自分の卵子の数の状態を知っておくことを私はおすすめしています。
年齢が進むと子宮内膜症になる頻度も増す
不妊の原因の1つに子宮内膜症があります。子宮内膜症とは、子宮外にある卵巣やその周辺に子宮内膜組織が存在し、毎月月経と同様に出血を繰り返し、卵巣内や卵巣周囲に血がたまったり、癒着を引き起こしたりして、妊娠しにくい状態を引き起こす病気です。この子宮内膜症も年齢とともに発生頻度が高くなります。
子宮内膜症が発生する原因の1つに、月経血の逆流があります。月経血は体外に排出されるだけでなく、一部が卵管を伝わっておなかの中(腹腔内)に出ます。この月経血には子宮内膜細胞が含まれており、この子宮内膜細胞が卵巣やその周囲に生着して発育すると、その場所で月経とともに出血し、癒着を引き起こします。
ですので、年齢が進むと初経からの総月経回数が多くなるわけですから、子宮内膜症になる頻度も増し、不妊になる確率も高くなります。
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