「大学入試を廃止」今こそ本気で考えるべき理由 橋爪大三郎氏に聞く「大学システム改革論」後編
大学入試を廃止しよう
『GAFA next stage』の著者スコット・ギャロウェイさんは、MBAで教授をつとめる教育者でもあり、ここ数十年のアメリカの大学の現状を、これではまずいと思っている。特に、ITのこれからの発展を見据えているからこそ、あるべき大学の姿がよく見えている。我が意をえたり、と思いました。
まず登場すべきなのは、オンラインを基本にする高等教育です。よりすぐりの教員を揃え、オンラインで展開すれば、これまでの中途半端な通信教育や、マンネリの従来型の大学より、ずっと質の高い教育ができる。必要なら、サテライト教室にチューターを配置して、つまずきそうなところをサポートしてもいい。
金のかかる大学のキャンパスは要りません。リアルタイムでズーム接続してもいいし、録画で繰り返し視聴できる。働きながら学ぶこともできる。学費は劇的に下がる。学生にとっても親にとっても、とてもうれしい。
大学改革を、大学に任せてはダメです。教育は、保守的な現場です。放っておいたら改革など起きません。今でも基本は明治時代のままです。
入学試験は必要か。教室の収容人数に上限があるから入試があったのですが、オンラインなら必要ない。大学入試がなければ、高校は本来の教育に専念でき、塾も予備校もいらなくなる。小中学校も変わります。高校入試も、とっくの昔に廃止しなければいけなかった。96%が高校に進学しているのに、なにを考えているのか。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら