女性比率90%超の企業は女性に優しいか?
女性社員が多い会社は、女性にとって居心地がいいように思われるが、実はそうとは限らない。
『就職四季報女子版』の巻頭に掲載されている「女性社員比率ベスト100」のうち、女子社員比率が90%を超えているのは、ハニーズ、レリアン、ヴァンドームヤマダの3社。いずれも女性用品を販売する小売業で、女性的なイメージの強い会社だ。
第1位のハニーズは10~30代向けのレディス衣料専門店。企画から製造・販売までを自社で行うSPA企業で、中国にも出店している。全社員1606人のうち96.4%に当たる1548人が女性だ。しかし、女性の平均勤続年数は総合職で12.2年、一般職では4.8年にすぎない。2011年4月に入社した女性正社員の3年後離職率は35.0%と高い。
第2位のレリアンは伊藤忠系の婦人服販売大手。全社員1497人のうち、95.5%に当たる1429人が女性社員。同社の平均勤続年数は12.1年だが、3年後離職率は43.3%とハニーズを大きく上回る。第3位のヴァンドームヤマダは婦人アクセサリー販売の大手で、女性社員比率は94.8%。平均勤続年数は9.1年で3年後離職率は22.5%である。
これらの企業は女性社員数が多いが、平均勤続年数は短いし、3年後離職率は高い。産休や育休制度を見ると、レリアンの育休がやや長い程度で、そのほかはほぼ法定どおり。女性が多いからといって、特に女性に手厚い制度があるわけではない。
一方で、「女性勤続年数ベスト100」のうちトップ3はケーヒン、JFEスチール、日本信号の3社。女性用品を扱う企業ではないし、女性社員比率は低い。
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