3年休職から復帰した経営コンサルのサバイブ術 仕事の効率が悪い、社内人脈が使えないを克服

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復職してから、何度そう自問したことか……。ただ、この業務非効率性にはほかの要因も重なっていた。

「この質問は、誰にすべきなのかな?」。社内処理に関しては、人事や労務、総務などのコーポレート部門で働く社員にサポートしてもらわねばならぬことが多々あるが、3年も休職していると、人の移動あり、組織の改編ありで、私が過去に構築した社内人的ネットワークが使えなくなっていた。

そもそも、会社から3年も離れていると、ほかの社員についても記憶がまばらになる。「顔は思い出すけど、名前が出てこない……」。そんな人たちが、束になって頭の中に存在した。

だから、「誰に何を質問してよいのか」そこから手探りで探し当てなければならなかった。

人的ネットワーク再構築に最も役立った宝の山

「リアルにコミュニケーションする機会が減ったタイミングで、転職してきた人や新入社員はもっと大変なのだろうな」

そんなことを考え、「まだ自分は恵まれているほうだ」と言い聞かせながら、必死になって社内ネットワークの再構築に勤しんだ。

人的ネットワーク再構築に最も役立ったのは、メーラーにたまっていたメールデータ。当時のメールを読み返すと臨場感たっぷりのやり取りが目の前によみがえるのだ。メーラーが変更になってデータ移管にてこずったとき、「3年前のメールデータなんて、本当に必要?」と自問自答したのだが、結果として古いメールは宝の山であった。

メールを読みだして感じたのは、「記憶は塊で戻ってくる」ということ。2~3のメールを読むと当時の状況がビックピクチャーとして思い出された。トピックごとに整理されたメールフォルダーの中に保存されていたメールをパラパラと読むと3年前の状況がだいぶよみがえった。

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