がん寛解した笠井アナに妻が放った衝撃の一言 自分のために働いてきた人生の大きな転換点

がむしゃらに働いてきた笠井信輔さん。がんになって人生観が変わったと言います(写真:石川正勝)
会社人間としての昭和のモーレツ男の生き方をしてきたというフリーアナウンサーの笠井信輔氏(57)。フリー転身直後にステージ4の悪性リンパ腫が発覚しましたが、退院後は再び猛烈に働きたいと思っている自分がいるといいます。その姿を見た妻からの一言がかなり響いたという笠井氏。いったい何と言われたのでしょうか。後編の今回は、がん寛解後の思いをお届けします。
※本稿は笠井氏の新著『生きる力』から一部抜粋・再構成したものです。
常に前を向いてくれていた妻
私ががんになったことで、家族のあり方、夫婦の形が大きく変わりました。これは当然のことなのかもしれませんが、3人の息子たち、そして妻がとても優しく私に接してくれるようになったのです。
とてもありがたかったのは、妻が率先して明るくふるまい落ち込みがちな私を励ましてくれたこと。「ステージⅣ」で「全身にがんが散らばっている」という状況の中で、深刻になって一緒になって泣いてくれるような家族でなくて本当に良かったと思っています。
私は涙もろいので、同情してくれるうれしさから自分も泣いてしまってどんどんと気分が落ち込んでしまう可能性が高いからです。
おそらく結婚30年でそのあたりのことは妻がよくわかっていたのでしょう。実は心配性で非常に泣き虫な女性なのですが、こと私の病気に関しては「大丈夫よ」と常に前を向いていて、私の前で涙を見せたことはありませんでした。とても感謝しています。
子どもたちは私ががんを伝えてから入院するまでは、「腰痛に苦しむお父さん」ぐらいにしか感じていなかったと思います。入院直前にまったく家事や炊事を手伝わない子どもたちに対して真夜中に妻が激怒する事件がありました。
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