3年休職から復帰した経営コンサルのサバイブ術 仕事の効率が悪い、社内人脈が使えないを克服

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「コミュニケーションツールはメールじゃなくて、Teamsが主流なのね。かといってメールも併用していてややこしいな」「しかも、メーラーも変わってしまっているから、過去のデータを移管するところから始めないと……それだけじゃ終わらない。過去に担当したプロジェクトフォルダのありかも確認しないと……」

システムがらみのインフラ整備に、最初の1カ月かなりの時間を費やしてしまった。

想像するにたやすいと思うが、3年前と今とでは会社で使うソフトが変わっていたし、イントラネットにも新機能等が追加されていた。そもそも当時使っていたシステムの操作方法、ワークフローさらにプロジェクト関連のフォルダ格納場所についての記憶が、吹っ飛んでもいた。新たに導入されていたソフトに慣れることと、以前使っていたシステム・データベースのことを思い出す作業を同時にしなくてはならず、頭の中が混沌とした。

仕事が効率的にできない! 頼みの社内人脈も使えない!

転職して新たな会社に勤務するなら、「さあ、新しいIT環境に慣れるぞ!」と思えばいいのだが、私の場合は「新しいものに慣れて、以前からのものを思い出す」必要性があり二重苦であった。

ITに強い同僚にヘルプを求めていろいろと教えてもらうのだが、その際に「ライトパーソン」に質問しないと、質問された側も正しい答えを探すのに時間がかかりすぎて疲弊してしまう。復職者の利点は、親しい同僚の中から「ライトパーソン」を発掘しリーチしやすいことかもしれない。

同僚に助けてもらい、1カ月ぐらいで自分が作業しやすいシステムインフラを整えることができた。環境を整えられた際は、正直ほっとした。なぜなら、IT環境が整っていないと作業効率が悪くなり、自分が会社員として失格なのではないかと不安に襲われるからだ。

「私って、こんなに仕事するのに時間かかる人だったっけ? どちらかというと作業は素早いほうだと思っていたのに」

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