経営コンサルでワーママの私がガンにかかったら 人生における「突然の電源オフ」を乗り越える術

拡大
縮小
人生に突如発生する「電源オフ」。「生活の強制終了」の乗り越え方とは? (写真:mits/PIXTA)
人生に突如発生する「電源オフ」。
たとえば、2020年春のコロナウイルス感染拡大。多くの人の生活の前提が吹っ飛んだはずだ。仕事では計画見直しや遅延が発生。子どもの卒業式・入学式も通常どおりには開催できない。準備していたイベントや目標としていた試合も中止。そんな「生活の強制終了」をどう乗り越えるか。
そのヒントになればと願いつつ、2018年夏に完全なる「人生における電源オフ」を迎えた経験を振り返ってみたのが、山添真喜子氏の『経営コンサルタントでワーキングマザーの私がガンにかかったら』である。一部を抜粋・編集してお届けする。

自覚症状はないが「急性白血病と診断されます」と宣告

2018年の定期健康診断は、いつもと同じ病院で行った。違ったのは、数日後に電話がかかってきたこと。電話先の看護師が、明らかに動揺している。

『経営コンサルタントでワーキングマザーの私がガンにかかったら』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

「詳しいことはお電話では話せません。すぐにクリニックに来てください」

電話を受けた当時、私は小学校1年生と5年生の娘を育てていたワーキングマザーだった。シンクタンク系コンサルティング会社で、プロジェクトマネジャーとして働いており、予定を詰め込んだ毎日を送っていた。突然の電話で、予定を変えられるほど余裕はなかった。しかし、看護師の様子が尋常でなかったため、なんとか段取りをつけてクリニックに向かった。

クリニックに着くと、はじめて会う医師が私を待っていた。そして、慎重な精密検査を受診する必要があると説明しつつも、「白血病である可能性が、極めて高い」と告げた。「本当ですか? まったく自覚症状がないのに?」。この11年間子どもを育てながら働く、超多忙な生活をこなしてきた。だから、白血病になったといわれてもまったく納得できなかった。だが、翌日、大学病院で精密検査を受けたあと、希望的観測とは裏腹に、
「急性白血病と診断されます」と宣告を受けたのだ。

次ページ目の前が真っ暗になった
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT