大敗でも「ノーチェンジ」、オバマ経済政策の前途

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国民皆保険を目指して、3月に成立した医療保険改革法もオバマ政権にとっては難題だ。成立はしたが、中間選挙で大勝した共和党は逆に廃止を求め攻勢を強めている。

「反企業」イメージ改善へ 経済スタッフに財界人も

オバマ大統領にとって、中間選挙前に広がった「アンチビジネス(企業嫌い)」イメージの改善は急務だ。医療保険改革や金融規制改革を通じ、オバマ政権は企業にコスト増を強いて規制強化を進めたとのイメージが企業間で浸透。オバマ派として知られていた米通信大手、ベライゾン・コミュニケーションズのサイデンバーグCEOも今や批判の急先鋒に立つ。景気低迷が長引くにつれ「経済の先行きの不透明感が投資や採用活動に悪影響を与えている」と経済界から不満が噴出している。

こうした中、オバマ政権では主要経済スタッフ刷新の動きも見られる。9月にはローマー大統領経済諮問委員会委員長、10月初旬にはエマニュエル首席補佐官が相次ぎ辞任。さらに、年内にはサマーズ国家経済会議委員長が退任することも決まっている。サマーズ氏の後任には、元ゼロックスCEOのアン・マルケイヒー氏の名前も挙がっている。

経済スタッフ内に財界出身者を加えることで、ビジネス界へのアピールを図る方策ともみられている。もっとも、オバマ大統領は2008年の大統領選に参加した政策スタッフへの信頼が厚いことで知られ、側近の刷新は限られそうだ。

熱狂から一転、逆風下にあるオバマ政権。経済政策で大きな「チェンジ」を図らずに、景気と雇用回復を実現するのは容易ではない。

(ピーター・エニス、在ニューヨーク 週刊東洋経済2010年11月20日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。


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