京都発「匂いが気にならない餃子」大ヒットの理由 舞妓や芸妓もパクパク食べられて大満足

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「匂いが気にならない餃子」とはいったい?(写真:「ぎょうざ歩兵」提供)

「匂いが気にならない餃子」

今や国民食と言っても過言ではない餃子。その歴史は、日清・日露戦争後には早くも家庭料理本に登場するほどで、1909年に発刊された『四季包丁和洋素人料理法』に「餃子(かうづら)」として掲載されているほどだ。

100年以上のときを経て、餃子は多様化。現在では、さまざまな餃子を楽しめる「餃子専門店」を街で見かけることも珍しくなくなった。その中にあって、餃子に欠かせない主要食材であるニンニク、ニラを一切使わない「生姜ぎょうざ」で、一躍人気店に躍り出た店舗がある。2011年、わずか6席のカウンターから出発した、京都・祇園に構える餃子専門店「ぎょうざ歩兵」だ。

「舞妓さんや芸妓さんをはじめ、女性のお客様から『匂いが気にならないのでパクパク食べることができる』と評判になったことで、徐々にお客様から支持をいただけるようになりました」

そう謙遜しながら話すのは、代表取締役会長・今井雅敏さん。餃子の核とも言えるニンニク、ニラを使用しないことで、匂いを気にせず食べることができる“逆転の発想の餃子”を世に送り出したアイデアマンでもある。

4時間待ちの行列ができることも(写真:「ぎょうざ歩兵」提供)

4時間待ちの行列もできる店へと成長し、現在は東京、大阪、名古屋へと店舗を拡大。「ミシュランガイド京都 2020」では1軒しか選出されなかった狭き門のビブグルマン餃子店に、2017年から2019年まで3年連続で選ばれた。

だが、「実を言うと、われわれが『ぎょうざ歩兵』の経営を始めたのは、偶然の産物でした」と、今井さんは胸の内を明かす。

「私は株式会社リンクアップという会社の代表取締役でもあるのですが、こちらが本業なんです。アイデアを考え、売れるを形にする……簡単に言うと、企画屋です。ぎょうざ歩兵も、当初はお客様から『売れる飲食店を作りたい』と相談を受けたことがきっかけでした」(今井さん、以下同)

コンセプトやアイデアは考えるけど、経営はあくまでオファーをした第三者に委ねる。プロデュースではなくプランニングに関わり、二人三脚でオープン(あるいは商品のリリース)まで伴走する――はずだったのだが、オファーをした張本人が家族の反対を理由に、途中で企画から降りてしまったと微苦笑する。

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