カード払いの徹底が資産増加につながるワケ 「脱・現金払い」は生産的な暮らしにつながる
4月、経済産業省は2025年までに紙幣・硬貨を使わないキャッシュレス決済を、現状の倍である40%まで引き上げる「キャッシュレス・ビジョン」を策定・発表した。2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックを視野に入れた、観光立国としてインバウンドの受け入れ態勢を強化する一策であることは周知の事実だろう。
世界屈指の利便性を誇る日本のクレジットカード
さかのぼること1961年。日本でも初めてクレジットカードが誕生したわけだが、1964年に開催される東京オリンピックに向けた施策の一環として、新しい決済の形が導入された背景がある。“歴史は繰り返す”ではないが、再び新たな決済の形が推進されることは想像に難くない。その一方で、急速にキャッシュレス化を推進するがあまり、日本のキャッシュレス化はクレジットカードありきという奇妙なただ中にある。
今やわれわれが日常的に使用しているクレジットカードだが、実は日本のクレジットカードは極めて汎用性が高く、世界屈指の利便性を誇っている。日本はマンスリークリア方式(翌月一括払い)が一般的であることに対し、欧米ではリボルビング専用(リボ払い)として使われ、一括&マンスリークリアは一般的ではないのだ。だからこそ欧米では、一括で引き落とすためのカード用としてデビットカードの普及率が向上し、クレジットカードとデビットカードが両立する生活習慣が根付いている。
ちなみに、日本では当たり前の公共料金やクレジットカードの支払いなどを銀行から自動的に支払われる「口座引落」。実は、海外では近年始まったサービスということはあまり知られていない。欧米は基本的に小切手社会であり、リボ払いの月額最低支払額も小切手で支払わなくてはいけなかった。そのため、煩わしさを感じないデビットカードが主役級の決済方法として大活躍しているといった具合だ。
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