カード払いの徹底が資産増加につながるワケ 「脱・現金払い」は生産的な暮らしにつながる

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昨今は、賃貸管理会社によっては家賃のクレジットカード決済を行っているところもある。一人暮らしでも、普通に生活しているだけで1カ月1000円分以上のポイントを得られる可能性はかなり高い。

日常には、改めて指摘されないと気がつかない“生活の死角”が多分に潜んでいるが、決済もまたしかり。これまでのように、どのポイントがおトクで、特定の場所で買うことで還元率がアップする……なんて細かいことを考えなくても、誰もがキャッシュレスに対応できれば、みるみるポイントが増えていく時代なのだ。

「所得」と「時間」の増加にも効果がある

これだけ手軽に増やすことができるのであれば、もはやポイントは可処分所得と認識したほうがいいのではないか。可処分所得とは、給与やボーナスといった個人の収入・所得から、税金や保険料などを差し引いたおカネのこと。平たく言えば、自分の手元に残るおカネのことだ。キャッシュレスに対応することは、可処分所得を増やすチャンスなのだ。

また、キャッシュレス対応は、可処分所得に加えて、「時短効果」というメリットを生み出す。電車移動の最中や休憩時間にスマホ片手に動画を見たり、ネットニュースを見ることが当たり前になっている現代人にとって、5分以内で楽しめるコンテンツは今や欠かせない。

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ともすれば、キャッシュレスによって削ることができる非生産的な時間を、こういったミニマルなコンテンツを楽しむ時間(=生産的な時間)にあてがったら、いったい、どれほどの動画やニュースを見る機会につながるだろうか。自分に投資できるミニマルなコンテンツが増える時代だからこそ、列に並ぶ、財布を取り出す、おカネを探して渡す、お釣りをもらうという一連の流れを短縮したほうが賢明だろう。

以上のようにキャッシュレスにシフトすることは、所得と時間というわれわれにとって貴重な資産を増やすことと同義である。キャッシュレスという迫りくる大きな大河にのみ込まれないよう、今のうちから泳げるすべを身に付けて、賢くお得に脱現金化の波を乗りこなしてほしい。 

我妻 弘崇 フリーライター

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あづま ひろたか / Hirotaka Aduma

1980年北海道帯広市生まれ。東京都目黒区で育つ。日本大学文理学部国文学科在学中に、東京NSC5期生として芸人活動を開始する。2年間の芸人活動ののち大学を中退し、いくつかの編集プロダクションを経てフリーライターとなる。現在は、雑誌・WEB媒体等で幅広い執筆活動を展開している。著書に『お金のミライは僕たちが決める』『週末バックパッカー ビジネス力を鍛える弾丸海外旅行のすすめ』(ともに星海社)など。

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