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社長が変わらないとジョブ型・DXが成功しない訳 見逃したパワハラが個人ライフシフトを妨げる

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  • 梅本 龍夫 立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科客員教授
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かつて、日本企業が強いと言われた時代、その要因は日本企業の中がコミュニティー的で、正規のラインを超えた情報交換があって、部門が有機的につながって動いているという研究がありました。AGCのCNAという取り組みは、それに当たります。

日本企業の強みに気づいたアメリカの企業は、オフィスや働き方にコミュニティー的な要素を取り入れようと試行錯誤をしてきました。私もスターバックスに関わり、彼らのオフィスや働き方を見てきましたが、彼らのオフィスデザインはすごく優れていますよね。

例えば、私は今仙台に出張中で、この取材を(アメリカ企業である)ウィーワークが提供するコワーキングスペースで受けています。彼らはオフィスデザインを工夫するだけでなく、そこで働くスタッフが気持ちよく働けるように気を配っています。

そんなスタッフから、「梅本さん、またいらしたんですね」と声をかけていただくと、自分もコミュニティーの一員であると感じさせられますし、出張の際、ホテルの自室で1人で仕事をするよりは、現地のウィーワークのスペースに行こうかなという気持ちにもなります。アメリカ企業は、人材やソフトに投資をしているのです。

制度の接ぎ木では十分な結果は得られない

一方日本では、バブル以降、経営といえばコスト削減という考え方が支配的でした。これは見直されてしかるべきです。アメリカ企業のやり方すべてがいいなどとは言いませんが、日本の企業との明らかな違いは、未来に投資していることです。

投資しない限り、未来は生まれてきません。人にも物にもお金をかけて、チャレンジしていく企業風土をつくる。そして働く人たちが幸せで、いいものを生み出していくためのバックアップをする。これが今の企業に求められていることでしょう。

1人ひとりが多様な生き方や働き方に踏み出すのを認め、どれだけバックアップできるか。それが圧倒的なクリエーティビティーやイノベーションにつながっていくと僕は思っています。

昨今、ジョブ型雇用が話題になっています。日本企業は今、メンバーシップ型からジョブ型へと一斉に舵を切ろうとしていますが、立ち止まって考えてほしいのは、ジョブ型のワークスタイルは英米型で、日本とはカルチャーがまったく異なるという点です。

そこに目を向けずに、制度だけを入れ替えてうまく機能するのかは疑問です。

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【一方、今の日本の職場では】

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