社長が変わらないとジョブ型・DXが成功しない訳 見逃したパワハラが個人ライフシフトを妨げる

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企業にできるライフ・シフトとは、つまり……(写真:kouta/PIXTA)
日本人のライフ・シフトには、個人のライフ・シフトと足並みを揃えたソーシャル・シフトが必要だ――アメリカ留学後、絶対の安定企業とされたNTTを飛び出し、スターバックスジャパンを立ち上げ、現在は大学でライフストーリー論、サードプレイス論などを教える立教大学の梅本氏はそう指摘する。ソーシャル・シフトが必要だというその理由を、14万部突破のベストセラー『ライフ・シフト2』をひもときながら、2回に分けてお届けする。今回は、前編に続く後編。

まずパワハラをやめよう

社会の多様化が進み、個人がライフ・シフトに向かおうとする中で、企業にできる役割もいろいろあると思います。端的に一言で言うなら、パワハラをやめることでしょう。

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企業とは、達成すべき基準が明確な機構ですから、民主主義が正しい意思決定法というわけではないでしょうし、権力がある人がいて、その周囲にそうでない人がいる、という関係性は維持されると思います。

ただその関係性が内向きに、強固になりすぎた時に、ハラスメントが起きかねません。わかりやすく言えば、圧倒的な結果を出しているやり手社長(部長とか、部署のトップでも同じです)のハラスメントは見逃されがちということです。

内部通報制度があると言っても、実際にそれを使って通報する人がそれほどいないとすれば、どうすればよいか。そうとは気がつかず、あるいは意図的にパワハラができる立場にいる人に、率先して変わっていただきたいと思います。

前編で述べたように、ワークがライフの中に包摂されるものだとすれば、今のポジションで権力を握っているというのはいっときの状態でしかない。オフィスを離れれば、それぞれの生活が待っているのですから、仕事の関係性を絶対視すべきでなく、それぞれの関係をリスペクトするべきでしょう。

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