ミドルシニアの「セカンドライフ問題」どう解く? 個人の自助努力では難しい現実を誰が変えるか
個人の力だけでライフ・シフトするのは難しい
前作『ライフ・シフト』が発売されて8年、ライフ・シフトは社会現象となり、言葉としても定着しましたよね。
一方で、そこで主張されていた、「教育」「仕事」「引退」という伝統的な3ステージの人生という生き方はいまだ日本では根強く残っていて、企業の現場でも対処に困っているという実態があるように思います。
中でも大きな課題のひとつは、ミドルシニアのセカンドライフでしょう。言葉を選ばず言えば、「次のステージへ行ってはいかがでしょうか」という方が企業内に滞留している。
その背景に何があるかと考えると、ワークとライフが分断されていて、ワークの部分だけを個人の力で変えていくことが難しいからではないかと思います。
『ライフ・シフト』で言われるように、「技術革新と長寿化の時代に人生が変わっていきます」となった時に、ワークとライフは二項対立的でなく、ワークはライフに包摂され、ライフという包括的なものの中にワークをどう位置づけるかが大事になるでしょう。
これが、『ワーク・シフト』以来、グラットン先生が伝えたいことではないかと私は考えました。
人生100年時代には、人生を前向きに楽しみ、変身資産を積み上げ、エクスプローラーになったりポートフォリオワーカーとして生きる。そうした生き方のシナリオに、私自身、すごく勇気づけられましたし、実際にそれができる人は、すでにそうしているでしょう。
しかし、個人の力だけで、そうした生き方を実践できる人はどれほどいるでしょうか。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら