解散総選挙、「過半維持なら続投」の落とし穴 議席減が大きければ政権運営は不安定に
「21日に、衆院を解散いたします」
11月18日夜に首相官邸で開かれた記者会見で、安倍晋三首相は左右のプロンプターをながめながら、かみしめるようにこう述べた。
当初予想されていた解散日は19日。それは解散を宣言した会見の翌日なら、国会日程がスムーズに動くからだ。それなのに21日まで解散が延ばされたのは、参院で処理すべき法案がたまっているためだった。
自民党議員が説明する。「法案の処理が滞った理由は野党側にある。『審議時間をたっぷりとれ』と要求しながら、審議に入ると大臣に対して『政治とカネ』に関する質問ばかり。また気に入らないと委員会を欠席し、そのために大きく日程が狂って間に合わなくなった」。
参院での審議は進むのか?
政府与党が重要法案と位置づける「まち・ひと・しごと創生」関連法案も、与野党の駆け引き材料に使われた。もともと自民党内の衆院と参院で思惑が異なり、うまく調整がつかなかった。さらに参院自民党内の意見が一致しないことも災いした。
「しかしすでに衆院は全面的に選挙モード。それなのに参院で落ち着いて審議ができるだろうか」と参院関係者は懸念する。解散日が決まれば、参院も応援に専念しなくてはならず、事実上は国会どころではなくなるからだ。
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