面接でアウト判定される「残念な就活生」の共通点 コミュニケーション力不足で「会話が弾まない」

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就活サイトに影響されて同じような内容を話す学生はとても多く、面接官はうんざりしている。本人は真面目に面接対策をしたと思っているかもしれないが、まねごと、偽物の言葉なのだ。

「テンプレート的な回答が多く、深い質問をすると回答につまる学生」

「選考を受けている会社の説明会資料や、ホームページなどから拾った言葉でしか説明できない学生」

「予め用意していた回答しかできない学生」

人事が低い評価を下す学生に共通するのは、コミュニケーション力の低さや欠如だ。質問の意図を理解できない学生、冗漫に延々と話し続ける学生、言葉が極端に短い学生、言葉が曖昧な学生は、いずれもコミュニケーション力が不足している。

コミュニケーション力不足以外の欠点もある。チャラい、消極的、素直さがない、自己中心的、他責的で無責任な学生もいる。

こういうコメントを読んで感じるのは、人間として成長が足りないということだ。もちろん「わからないのが当たり前だと思い、面談している」という面接官もいる。社会人経験のない若者にわからないことが多いのは当然である。

だが、別の面接担当者は、「学生生活の経験値が低い、考え方が浅薄」とコメントしている。さらに「大学生活の経験から学ぶことが少なく、考え方が浅くて薄っぺらな学生がいる」と考えている。

コロナ禍も一因かもしれない 

なぜ経験値が低いのか? その原因はコロナ禍かもしれない。講義はオンラインで実施できたかもしれないが、大学生活での学びはキャンパスでの交遊から得られるものが多いからだ。ところが、一昨年も昨年もキャンパスを自由に闊歩することができなかった。

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就活においてもキャリアセンターの支援を十分に受けられなかった学生が多いはずだ。オンライン模擬面接を実施しているキャリアセンターもあるが、これまでの支援と比べれば手薄いといわざるをえない。

これから2023年卒採用の面接が本格化するし、6月からはもう次の2024年卒のインターンシップ募集が始まる。キャリアセンターの支援体制の強化を期待したい。

佃 光博 HR総研ライター

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つくだ みつひろ / Mitsuhiro Tsukuda

編集プロダクション ビー・イー・シー代表取締役。HR総研(ProFuture)ライター。早稲田大学文学部卒。新聞社、出版社勤務を経て、1981年文化放送ブレーンに入社。技術系採用メディア「ELAN」創刊、編集長。1984年同社退社。 多くの採用ツール、ホームページ製作を手がけ、とくに理系メディアを得意とする。

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