「サッポロ一番」が圧倒的に愛され続ける納得の訳 袋麺で不動の首位、洗練より無性に食べたくなる味

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「『サッポロ一番 みそラーメン』は、発売45周年の時に少し味わいを深くしました。粉末スープは、使われる味噌を7種類のブレンドから8種類に増やしたのです。麺にもその味噌を練り込みました。でも、多くの方は気づかれないかもしれません」(同)

同封の「七味スパイス」もグレードアップし、スパイスのパッケージも銀色になった。

半世紀前とほぼ変わらない味なのは、それだけ発売時の商品の完成度が高かったのだろう。

都内の小売店では、今でも3品がゴールデンゾーンで販売されていた(筆者撮影)

どんな食材を入れ、ひと手間かけるのか

ロングセラー商品は、よく「消費者とともに年をとる」と言われるが、「サッポロ一番」は若い世代も支持する。今回、若手消費者の本音トークも聞いたので紹介したい。

「めっちゃ食べます! 備蓄しています。基本的に『サッポロ一番』を食べるのは、疲れていて、いかにラクして栄養を取れるかを考えているときですが、素ラーメンだと罪悪感があるので、基本は冷凍野菜または乾燥わかめを入れます」(20代の会社員女性)

この人は「塩らーめん」と「みそラーメン」愛用派。こんなひと手間をかけている。

「塩らーめんの場合は、卵とネギを入れて中華スープっぽくして食べることが多いです。みそラーメンの時は、ベーコンを炒めて入れると美味しいのですが、炒めるのが面倒な時はここもまた冷凍野菜です。鍋用に買った白菜とかが余るので、それを冷凍しておいてラーメンに入れます。みそラーメンにはキノコを入れたりもします」(同)

サンヨー食品は同社の公式サイトで「ひと手間レシピ」も紹介している。

「一般的には、卵やサラダチキン、カット野菜など手に入りやすい食材を入れる方が多いようです。あまり手間をかけず、身近な食材を入れて調理されています」(水谷さん)

インスタントラーメンは昭和時代から「栄養が偏る」と言われてきた。そうならない工夫は野菜を入れること。昔の「サッポロ一番 塩らーめん」のテレビCMでは「♪白菜、シイタケ、ニ~ンジン、季節のお野菜いかがです~」と訴求していた。

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