「ボルトがゆるゆる」新築内覧会で見た衝撃の光景 今年とくに注意したいのは「代替品」トラブル
年が明け、2022年の新築戸建て内覧会は最初のピークを迎えている。内覧会とは、一戸建て住宅が完成した後、施主(買主)への引き渡し前に行われる確認の場だ。塀や門、庭などの外構を含めた建物の施工状態を確認し、不具合があれば補修工事などを依頼する重要な機会であり「竣工(完成)検査」とも呼ばれている。
一般的に新年度のスタートに合わせて引っ越しを希望する層は多く、2~3月は引き渡しが集中することとなる。さらに決算の都合上、年度末までに引き渡しを終えたいという住宅の売主や施工業者の背景も重なり、2~3月は内覧会が多数開催される「シーズン」となっているのである。
例年、引き渡しが2~3月に集中することで工程に無理が生じ、トラブルにつながるケースは少なくない。またここに来て、コロナが原因で、住宅設備機器の欠品・納期遅れ、住宅建築の主要部材の調達困難などの問題が多数生じている。
2022年内覧会の懸念事項
中でも深刻なのが給湯器の品不足だ。部品の主要生産国であるベトナムのロックダウンの影響や世界的な半導体不足により、2021年から供給が不安定な状況が続いている。品薄の家庭用給湯器を狙った盗難被害も報告されており、まさに非常事態となっている。
給湯器は、いまやほとんどの家庭においてなくてはならない設備機器だ。そのため住宅の売主であるハウスメーカーや工務店では、引き渡しに間に合わない場合の対応策として代替品などを仮設置する形で対応を進めている状況が見られる。
さらに、「ウッドショック」と呼ばれる世界的な木材不足も、住宅の工期スケジュールに大きな影響を及ぼしている。コロナ禍で一時落ち込んだ住宅需要が復活し、アメリカや中国での新築ニーズが高まったことにより木材価格が高騰。もともと木材自給率が低い日本はより深刻な木材不足にあえぐこととなった。
コンテナ輸送の遅れなど複合的要因も加わり、木材価格の高騰、品不足が続き、供給も不安定な状況が依然継続している。家庭用給湯器の不足や木材の品薄状態により、懸念されるのが工期スケジュールの変更・遅延リスク、それに伴う不具合や施工不良などの発生である。
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